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瑠璃の決意と記憶
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痛々しく、美しく、醜い花。
誰にも愛されず、儚くちってしまった。
そんな話を誰かから聞いたことがある。
その花は、叶多にそっくりだなと思う。
叶多の歪んだ愛情も、全て、その花に似ている。
でも、ひとつ違う。
痛々しく、美しく、醜く、
そして、悲しい花。
誰かに愛されることもなく、一輪ポツリと咲いている。
人の温もりも、愛情も、優しさも、なにも知らない悲しい花。
そんな悲しい花を、笑顔の花にしてあげたい。
何も知らないのなら、教えてあげたい。
でも、僕に何が出来るのかな?
僕は都合のいい人間なのかもしれない。
人を助けたいだとかそんなのは所詮綺麗事に過ぎなくて。
僕も人間だからきっとそう。
口を開く度に綺麗事と嘘を吐き、傷つけ傷つけられ。
泣いたって泣いたって強くなれない。
笑ったって笑ったって悲しみは消えない。
叫んだって喚いたって助からない。
神様なんて、きっと死んでしまったのだろう。
信じて楽になれば、きっと皆神様を信じて崇めるだろう。
人間なんてそんなもの。
知ってるよ?
僕もそんな人間の1人。
叶多は可愛いって。
でも、可愛くないよ。
この世に可愛いなんてないんだよ。
知ってるくせに。
僕がこんな人間だって。
なのに、愛してくれた。
そんなの気にせず温もりをくれた。
優しいね、叶多。
だから、決めたの。
叶多を、守るって。
叶多を助けるって。
だから、少しだけでいい。
少しだけ、力を貸してよ、
優くん。
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