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藤本京介side
自傷行為だ
蓮くんがこうやって喧嘩をやめられないのは
母親からの暴力を愛情として受け止めていたから
今は暴力も受けず、放置されているから
愛情を受け取らずにここまで来てしまったのだ
モノクロはたぶん、小さい時の記憶と現実が混ざって
原色の強い赤だけが目に焼き付いてるといった感じだろうか
そして、蓮くんは
「いっぱい赤を見ると、気分が高揚する
これって『楽しい』ってことであってる?」
と俺を見つめて来た
ちゃんと親と感情を共有しないかった子どもは感情がわからないまま育つ
虐待を受けていたという典型的な証拠だ
「…それは楽しいじゃないよ。
蓮くん…君は愛情に飢えてる」
「愛情ですか?…」
「相澤、蓮くんをギュッとしてあげて?」
俺がそういうと相澤は蓮くんを抱っこするように抱き上げた
「うわっ、」
そういって落ちないように相澤にしがみつく
「赤ちゃんが泣いてる時こうやって、抱き上げてあやすんだけど、蓮くんはそれを受けることなく大きくなってしまったから愛情を勘違いしてる」
「…そうですか」
「蓮くん、もう喧嘩しちゃダメだよ?
喧嘩は人を傷つけて、自分も傷つく行為だからね」
「…」
「喧嘩したくなったら相澤に言いな、相澤が違う形でちゃんと愛情を与えてくれるから」
と言いながら相澤を見る
相澤も「そうだぞ蓮。俺がちゃんと感情を教えてやるからな」
俺は取り敢えず帰る
また何かあったら連絡してと言って自分の家へと向かった
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