アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
274
-
「蓮!!」
蓮の勢いが無くなって
俺は蓮のところへと走った
「っ…龍哉、さん?」
蓮は涙を溜めて膝を抱えていた
「蓮…何でまた出てったんだよ?」
「っ…俺のこと…もう、要らないでしょ?」
「はあ?…本気でそれ言ってんのか?」
思わず声が低くなる
「呆れたでしょ?…」
「だから、本気でそれ言ってんのかって言ってんだよ」
苛立つ
「っ…だって、『もういい…』って言った」
「は?」
「俺は出てったんです…もうほっといてください」
「ふざけるな…」
「戸籍の件はそのうち抜けるんで…」
「いい加減にしろっ!」
大声を出してしまった
蓮はビクッと体を揺らした
「悪い…大声出して」
俺は蓮に近づき抱きしめる
「もうさっきのことは怒ってないから…蓮、戻って来いよ」
「っ…嘘だ…本当は…めちゃくちゃ怒ってるくせにっ…俺のこと…面倒臭いって思ってるくせに…っ…」
「蓮…」
「やだ…もう、あんなに冷たく言わないでっ…くださいっ…俺、…っ俺、耐えられない…っぅぅ…」
蓮は泣き出した
あぁ、そうか
『もういい…』
あの一言が蓮を傷つけたんだ…
蓮は俺から嫌われることを極度に怖がってる
それなのに俺はイライラして冷たくそう言ってしまったんだ
『もういい…部屋で寝てろ』
っていうつもりで言った一言だったが
伝わらず傷つけてしまった
「っ…ぅっ…」
「蓮…勝手に出てって他の男と会ってたって聞いて本当に腹がたった…だけど、蓮が俺の前からいなくなることはもっと腹が立って俺が俺でいられなくなる…それほど愛してるから戻って来い…俺はお前を手放す気はさらさらないぞ?」
「っ…俺も好きです…めちゃくちゃ好きですっ…好きになってごめんなさい…」
「蓮…そんなこと言うな…ほら、帰るぞ?」
「…はい」
蓮の持ち出した荷物を俺が持ち
蓮の手を引いてマンションへと戻った
相澤龍哉side終わり
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
274 / 443