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「蓮…着いたぞ」
「はい…」
事務所につき、何故が俺は少し緊張していた
無意識に龍哉さんに捕まる手が強張る
「蓮…大丈夫だ、近くにいるから」
安心する声…
不安は少し消えたが、でもやはり怖さはある
中に入り、佐々木がいる地下へと向かった
重たい扉を開けると佐々木が鉄格子越しにいた
「黒咲さん…」
佐々木は俺を見て驚きすぐに真顔に戻った
「黒兎って相澤組に飼われてたんですか?」
と皮肉ったように言った
「違う…それに、俺はもう勝手に喧嘩はしない」
「あっそ、…で、その怪我はどうしたんすか、喧嘩で負けなしなんじゃないんですか?」
「…これは俺が自分でやった」
「はぁ?!…自分で?…ろくに歩けてないじゃないですか」
「…俺が喧嘩をしてたのは自分では制御できない感情をぶつけるため、あと、時間つぶしでもある…でも、それを止めてくれて俺に感情を教えてくれたのが相澤組の若頭だった」
「でも、自傷行為をするってことはまだ制御できてないんじゃない?」
「…俺は、心が弱いから簡単に傷付いて簡単に壊れる…だから、喧嘩しても理性を失って…」
「記憶がないってか?」
「まぁ、そうなのかも…喧嘩をしない代わりに自分を傷つけてしまう…どうしたらいいかわからなくなって、自分が消えればいいって思ってしまうから」
「…」
「そんなことより、なんで俺を襲ったの?」
「ただ、俺の存在に対して興味を持って欲しかった」
「興味?」
「俺はあんたに喧嘩から助けてもらったって言ったけど…あれ嘘。本当は黒兎が暴れてる所を通って巻き込まれた…
圧倒的な強さに痺れて、俺も強くなっていつか、超えてやるって思ってた…学校に黒兎がいると知ってあんたを見つけた…でも、喧嘩の時とは真逆の緩さに驚いた」
「…」
「でも、タイマン張ってやった時は指一本触れることもできなかった…ムカついて、どんな手でも俺のことを認めて欲しかったんだ…でも、その夜大暴れして狂った様子の黒兎を見てゾクゾクしたんだ…」
「え…」
「手に入れたいって思った…だから、つけて家をリサーチして拉致った、ムカつく気持ちとめちゃくちゃにしてしまいたいって気持ちが混ざって襲うかたちになった」
「そうだったんだ…」
「今はどう思ってんだよ」
とずっと黙っていた京介さんが口を開いた
「今も、蓮くんに何かしてやろうって思ってんのか?」
「いや、ないです。相澤組がバックに居て、それだけでなく黒兎は強いのに何もする気はもうないですよ」
「ふーん…で、お前どうすんの?」
「俺は…できれば元の生活に戻りたいとは思ってますけど、そう簡単には行かないですよね…」
「当たり前だ。俺の蓮に手を出したんだから、死ぬ覚悟はもちろんあるだろ?」
と龍哉さんが迫った
「ゴクッ…」
佐々木が生唾を飲み込んだ音が響いた
「佐々木…俺はもう、お前には近づきたくないし、できれば俺の前から居なくなって欲しい…でも、佐々木をそうさせた原因は俺でもあるから、2度と俺に近づかない約束をしてくれるなら、見逃してもいいと思ってる」
「おい、蓮」
「いいですよね?…俺のことは俺が決めても」
「っ…、好きにしろ…でも一言だけ言うが、佐々木、今回だけ見逃してやるが、次何か蓮に直接でなくてもしでかしたら、命はないと思えよ」
「はい…わかりました」
顔を青くして佐々木はそう返事をした
「よかったな、蓮が庇ったおかげでお前は助かって…」
「え?どういうことですか?」
「は?何生ぬるいこと聞いてんだお前?蓮を襲っておいて命あるわけないだろ?蓮が味わった恐怖を何十倍で返してやったんだよ…」
「…」
「あー、大丈夫?顔色すごく悪いけど…まぁ、相澤組…いや、黒兎に手を出すとどうなるかわかったでしょ?2度と蓮くんを傷つけないでね」
そう言って京介さんは部屋を出て行った
俺も龍哉さんに抱っこされて部屋を後にした
ギギギィ…と厚い扉が閉まり
数日後に佐々木は解放されたと聞いた
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