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昼休み
先輩と一ノ瀬がやって来た
「蓮くん久しぶり〜!…って、ちょっと!すごい怪我してるじゃん!」
「れ、蓮…ホント大丈夫なのか?」
意味ありげに俺の顔を伺い、何か言いたそうな顔をした
「?…お久しぶりです、この怪我は気にしないでください」
「そうですよ先輩…蓮くんの怪我は大したことではないので」
「大したことないわけないだろ!…こんな包帯をしておいて…お前近くにいて何も守れてねぇじゃねぇかよ!」
先輩がいきなり蛍さんの胸ぐらを掴んだ
「ちょっ、何やってんですか!」
「近藤先輩っ、蛍さんから手を離してください」
俺と一ノ瀬が間に入って止めた
「蛍さん大丈夫でしたか?」
「うん、大丈夫。…蓮くん俺ちょっと話あるから、一ノ瀬と待ってて」
「…え、俺邪魔ですか?」
あまり離れたくない
「いや、そうじゃないけど、2人で話をしたいから」
「…そうですか…じゃあ、待ってます」
少しテンション下がる
俯いて一ノ瀬の元へと近寄った
「蓮くん、お昼ご飯食べよっか」
「はい…」
無言でちまちまと米粒を口に入れる
「…。蓮くん…テンション低くない?」
「…そうですか?……蛍さん、遅いですね…」
「んー、…でも、まだ3分も経ってないよね」
「……」
「あの…蓮くんのその怪我は何があったの?…言いたくなかったら別に言わなくていいんだけど」
「これは、俺が勝手に暴走して作った傷です」
「え?…その割には結構大怪我じゃない?」
「…そうですね…今回は結構酷いかもしれませんね」
と、自分でしたことなのに他人事みたいな言い方になった
今は冷静で居られるけど、今でも怖く感じる
もし、龍哉さんが俺のことが目障りになってゴミを見るような目で俺を見つめてきたら…
その時は本当に心が壊れてしまうのだろう…
心がモノクロに包まれる感覚…
今すぐにでも死んでしまいたいと思えるほどの絶望感
なんのために生きているのか分からなくなる
黒い渦の中に埋もれていくような感覚
思い出して気持ち悪くなり、食べる手が完全に止まった
「蓮くん?大丈夫?…顔色が悪くなったけど」
「大丈夫です」
「…そう」
早く蛍さん帰ってこないかな…
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