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「蓮くん…ご飯の手止まってる」
一ノ瀬はそう指摘し、近寄ると無理やり卵焼きを食べさせようと口に近づけてきた
「ん〜…嫌」
プイっと顔を背ける
「コラ…蓮くん逃げない」
一ノ瀬はとうとう席を立ち俺に近づくと顎を掴み無理やりに向かせられる
「いやだ…「嫌じゃない」」
「ほらあーん…」
顎を固定され一ノ瀬の顔と卵焼きが近づく
「んあ」
口を開かされて卵焼きが入ろうとしていた
「ちょっと、何やってんの?」
その声のする方を向くと、呆れたような顔の蛍さんとその後ろに近藤先輩が居た
「あ、やっと来たー!蓮くんがご飯食べなくなったから卵焼きを食べさせようと今こうやってあーんしてたんだよ」
「そうだったのか…でも、蓮くんの顔よく見てよ涙目になってる…怖かったね?」
蛍さんが俺の近くに来て屈んで俺と目線を合わせる
「蛍さん…」
俺は手を伸ばしギュッとしてもらう
「あー、ほらほら嫌だったみたいだね」
背中をさすりながら一ノ瀬を見た
「えー!蓮くん俺には甘えないで海堂には甘えるんだ!
俺と海堂どっちが好きなんだよ!」
「何だよそれ…そもそも蓮が二股かけてるみたいな言い方しやがって」
先輩が呆れたように口を挟んだ
「蛍さん」
「え"ぇー!…迷いなしに海堂を選びやがった!」
ひとり落ち込む一ノ瀬をほっといて俺は蛍さんにくっつくことによって安心しようとしていた
「よしよし、蓮くん。俺席座るからこっちおいで」
「うん」
蛍さんの上に跨りもう俺は食べる気ゼロになった
「蓮くん、もう食べないの?」
「うん」
「そっか、じゃあ後でお腹空いたらゼリー持って来ておいたから食べようね」
「うん」
蛍さんの優しい声で話しかけられ敬語が抜けた
「ね、あれもはや保育士みたいですね」
「あぁ、介護ってよりはおもりみたいだよな」
2人が俺たちを見てヒソヒソ言っていたのは聞こえなかった
その後、蛍さんは抱きついている俺を気にしつつもご飯を食べて昼休みが終わるまで膝の上に座らせてくれた
昼休みが終わる頃、近藤先輩が意味深なことを言った
「昼休みでのお前らの絡み見てわかったよ…精神的なサポートをしてることも、それがお前じゃないとダメだってことも」
「あっそ」
蛍さんが素っ気なく答えた
「じゃあな…蓮、休むなよ」
「はい」
そう言って先輩は自分の教室へと帰っていった
「今のって何の話だったんだ?」
と、いつまでも頭にクエスチョンマークを付けていた一ノ瀬も教室に帰っていった
「蓮くん、午後も1時間すれば帰れるからテスト頑張ろうか」
「はい…がんばります」
そっと蛍さんから離れ、精神的にも安定したのでテストに集中しやすくなった
そしてそのままテストに臨んだ
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