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目を開けるとあたりはほんとうに薄暗くなってきていた
時計を見るとまだ12時
雨が今何も降りそうな天気になっていた
そして時折聞こえてくるゴロゴロという音で雷も鳴りそうだと気付いた
そして、まだ2人は帰ってきていない
自然と涙がたまる
ポタッポタッとソファに俺の涙でシミを作った
「早く帰るって言ったくせに…」
なんでひとりでいるだけなのにこんなにも寂しく思うようになってしまったのだろう…
数ヶ月前までは一人の方が安心していられたのに…
すると外がザーっと煩くなった
雨だ。
ゴゴゴゴッと雷の音も煩くなった
なぜか俺は徐に外に行きたくなった
自然と行きたい方へと体を動かし、家を出た
ロビーを抜け外に出ると外はより一層強い雨が降り
雨の音で何も聞こえなくなるくらいだった
一歩外に出ればずぶ濡れになった
それでも俺は気にせず、近くの公園に裸足で出歩いた
もちろんこんな雨の中、出歩いているのは俺だけで公園のベンチに座った
服は水を吸って重くなっていった
このまま雨に溶けて俺なんか無くなればいいなんて馬鹿なことを考えて
ずっと強く降りしきる大粒の雨を浴びた
時折光っては轟く雷を聞きながら俺はベンチに横になり雨を浴び続けた
体がだんだんと冷えてきて行く感覚を感じながらそれでも家に戻りたくなくて目を閉じた
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