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薬を飲んで頭がぼーっとするが龍哉さんがいない今がチャンスだと思いベッドから再び降りてみる
ぬいぐるみに俺のパーカーを上にかぶせ、その上にタオルケットをかけ俺が寝てるようにした
足はふらつくが壁を伝って部屋を出て龍哉さんの目を盗んで再び外に出ようとした
龍哉さんから離れたい
"人に縋って生きてくなんてごめんだ"なんて母親を見てそう思ってたけど、今の自分は母親と同じだ
龍哉さんがいないと俺は…
俺は、龍哉さんに縋って生きているんだ…
感情なんて知らないままでもよかった
知らなかったら、1人が寂しいなんて思わなかったのに…
ひとりでも平気だったのに…
愛なんて知らなかったら…こんなに心乱されないのに…
随分と俺は弱くなってしまった
不安も怖いって感情も辛いも苦しいも…全部いらない
感情は邪魔なだけだ…自分が分からなくなるから
まだ戻れる…たぶん
全部忘れればいい
耳につけてあるピアスを外し玄関に置いて家を出た
非常用の階段でゆっくりとふらつく体を支えながら降り、
外に出ると雨は既に止んでいて、蝉の声がうるさかった
ひたすら歩き続けて気づけば薄暗くなっていた
すると人にドンとぶつかった
「あ、悪い」
俺の体はもう限界だったようでぶつかった拍子にそのまま倒れた
「えっ!、ちょっと…大丈夫?!」
そのまま意識を失った
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