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高校入学
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入学式から俺はダッシュで教室にもどる。
アイツの席が気になったからだ。
黒板を睨むが……
「やば。名前見てなかった。」
俺の席は一つ前にはなったが窓際後方。
まだ誰も居ない教室に一人席に着く。
「はあーっ」
大きくため息を着いて再び黒板に目をやる。
七尾さんはさっきと同じ席だ。
近くで良かった勉強頼らせて貰おう。
机に上半身を投げ出しうつ伏せにる。
体育館を眺めた。早く部活いきたいな
後ろに誰かが座る。
振り返ると………
こういうオチだょね。
やっぱりアイツ。
先生が身長差別で交換した?って所だろう。
ま、視界に入らないだけいーかな。
とりあえず、挨拶する事にした。
「同じ中学のバドミントン部に居たよね?俺、」
と、言いかけると
「知ってる、如月だろ?」
「あ、うん…如月暁一。よろしくな」
あれ?話してみると普通。
単に目付きが悪いだけなのかも…
てか俺って有名人じゃん?
「俺、霜月真賢。」
って…え?え?
確か池君が以前俺に話してくれた。
強いバドミントン選手、暁ちゃんの学校にも居るんだぜって。コイツの事!?
頭をフル回転させる。黒板の席順を見た時、
思いつかなかったけれど、
珍しい名前だったから覚えている。
俺が口をパクパクさせていると
プッと、霜月が笑い出す。
何となくその笑顔が幼く見えて印象が更にガラリと変わった。
「なんだ!笑えるんだ!」
「たりめーだろっ」
と、ど突かれた。
「いってぇっ。」
「あ、悪りぃ」
「悪いって思ってねーだろっ」
と、睨むとまだ笑っている。
「所で霜月はやっぱりバドミントン部?」
「そのつもり。如月もだろ?」
びっくりして霜月を見てまた口が空いたままになる。
何?俺の情報ってダダ漏れ?
「池先輩から話聞いてたから。それに受験もあるってのにバカが毎日毎日市民体育館通ってんナーッて。」
バカは余計だ。
「高校からでも練習次第では上手くなるし、頑張れよ。ま、補欠位にはなれるんじゃね?」
ムカっと、したが優秀な選手と聞く霜月には何も言い返せない。
それに何となく以前の冷たさを感じ無かった。
「ばーか、俺に抜かされない様に霜月も頑張れよ。」
「期待しとくー。」
ホームルームが終わると俺達は二人で体育館に向かった。
手前のバレー部の先輩に声を掛けられた。
なんかチャラい…
「お!新入生かな?君は身長も高いし直ぐ即戦力になりそうだね!どこ中?今までもバレーして来たっぽいね。ん〜君はまだ小学生って感じだね、高一で身長がこれだとバレーは厳しいけど大丈夫?マネージャーも募集中だよ。」
チャラそうなそのバレー部先輩に俺はムッとする。
言い返そうとすると霜月が、
「すんません俺バド部希望なんです。それにコイツも。それから身長だけで判断する部なんか全く興味有りません。どんなスポーツでも努力するヤツが、強くなるそれだけです。」
思わず霜月の顔を見る。真剣な顔で真っ直ぐチャラバレー部先輩を見たままだ。
何こいつめちゃかっこいーじゃんか!
………ってこれから同じ体育館使うのに。
気まずくねーか!?しかも先輩相手に…
俺が謝ろうとするとチャラバレー部先輩は霜月の迫力負けしたのかバツが悪そうに目を逸らし、奥のバトミントンコートに声をかけてくれた。
「菅ー、バド部新入部員ー。」
「あ、すいません、ありがとうございます。」
声を掛けてから横を通ると、奥のコートから爽やかな人が駆け寄って来る。
「やあ!初めまして。俺はバド部キャプテンの菅 結城。よろしくね。霜月君だね、待ってた待ってた!君も入部かな?名前は?」
「如月暁一です!よろしくお願いしますっ!」
気合いが入り過ぎて声が裏返る。
めちゃ恥ずかしい。
「ぶっっ。」
隣の霜月が吹き出すと菅キャプテンにも笑われてしまった。
「そんなに緊張しなくて大丈夫だょ。」
と、声をかけてくれた。優しい。
「みんな〜新入部員だよー!一旦集合してくれるー?」
そう叫ぶと菅キャプテンはこう続けた。
「君達を含めて新入生は五人だよ今年は少なくて心配していたんだけどね、入部してくれてありがとう。」
本当に優しそう。なんかそれに柔らかい。
思わず見とれる。
「あ、池くん!じゃなくて池先輩」
「おー!来たか来たか~っていつの間に霜月と仲良くなったんだ?」
「それがクラスが一緒でさぁ、じゃなくて、です。」
「無理に敬語使わなくていーよ。」
笑いながら池くんが言う。
「君が池が言ってた子かあ。池から聞いてるよ。これは楽しいチームになりそうだな!」
ひと通り自己紹介が早速練習に参加した。
準備運動とストレッチを済ますと、初心者に近い俺は端の方で素振りの練習からになった。
霜月はコートに入り先輩に混ざって練習を始めている。
焦る気持ちも有るが今は自分に出来る練習を精一杯しよう。でも一向に集中できずコートにばかり目が行ってしまう。
「如月、基本が大切だぞ。」
突然話し掛けられて振り向くと隣には確か三年の
「あ、松田先輩。」
「松本だけどな」
「うっ、す、すんませんっ」
「今のさっきでみんなの名前覚えるなんて無理だよな。でさ、如月はラケットの握り方に癖有るから今から直した方がいーな。」
と、言いながら隣で親身に教えてくらる。
今までシャトルを追いかけたり打ったりする事ばかりに集中していたが…そう。まずは基本が大事だ。
「松田先輩あざーすっ!」
「だから松本だっつの!」
ラケットのグリップでももを叩かれる。
「痛でっっ〜う、すんません。」
松本さんが笑う。
こうしてしばらく俺の毎日は素振りと壁打ち、地道なトレーニングが続いた。
何とか先輩に追いつきたい。霜月に追いつきたい。
練習はハードだけど、毎日が発見の連続で何よりきちんと部活で練習出来るのが楽しくて仕方ないっ!
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