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「それで私に用事とは?」
「会計と貴方の関係です。貴方達が親密な間柄だったという情報がありましたので……気になったんです」
「あぁ、咲のことですか。まぁ、はっきりと言うと付き合っていました。告白はあっちからです。最初は軽くあしらっていたんですが、段々とほだされて付き合い始めました。でも、転校生が現れてからは、付き合っているのかなんなのか、わからない状況ですけど…」
付き合っていたのか。それはまぁ、親密な関係に見られるよな。恋人同士だったんだからな。
「あ、一応言っておきますが、学園側からは許可を頂いています」
「えっ!そうだったの!?」
「しかし、自然消滅とは……貴方はどのように思っているんですか?」
「咲のことなら好きです。いや、愛しています。でも、咲は学生です。まだまだ、未来があるし、私なんかのために若さを無駄にしてはいけません」
「そうですか…じゃあ、俺と付き合いませんか?」
「はい?」
「んぅ?」
「はい、だから、俺とお付き合いをしてください。いいじゃないですか、自然消滅してるなら…駄目ですか?」
「すみません。お断りさせていただきます」
「はい、冗談なので大丈夫です」
「え!冗談なの~!?なんだぁー、面白いなぁって思ったのに!!」
林道は、はぁあと息をつきながら俺に向かって文句をたれた。
「でも、偽りの恋人を演じてみませんか?
相手がまだ学生だから、自ら身を引くのは間違いだと思いますよ。今は怠慢期です。そして貴方の今の状況は押してはいません、引いています。でも、引き方一つ変えるだけで、色々と変わるものですよ?俺と手を組みますか?組みませんか?」
俺は、右手をウェイターさんに差し出した。ウェイターさんはその手をじっと見つめて覚悟を決めたように俺の手を握った。
「自然消滅させるなら…この関係、破壊してもいいです。貴方と手を組みます」
「はい、交渉成立です。俺は皇一樹です。誕生日は5月14日、血液型A型、好きな食べ物はハンバーグ、嫌いなものは特になし。これだけは覚えておいてくださいね」
「分かりました。高橋大輝、3月9日のA型です。好きな食べ物はなめこ、嫌いなものは西瓜です」
「では、設定は…」
「告白は私からということにしてもらえませんか?」
「わかりました。では昼の食堂で高橋さんに紙を渡されて、今ここで告白なんてどうですか?林道は付き添いで証人です」
「あ、じゃあ…」
と言うと、客間の机からメモ帳とペンを取り出し、スラスラと何やら書き始めた。
「どうぞ。今の時間帯と来てくださいということを書いてあります」
「あ、細かいですね」
「やるときは徹底的にやらないとバレますから」
「そうですね…」
「あ、あと、二人のときはタメ口で」
「じゃあ、2人のときは大輝さん、それ以外は高橋さんって呼びますね」
「では、私もそのように致します」
その後、管理人さんにも口裏を合わせてもらうことになった。管理人さんは三葉慎吾というらしい。
そして、三葉さんと林道が少しずつ俺達が付き合ってることを周りにバラしていくことを確認して解散となった。
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