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「息子が何よりも心配です」
ビジネスの話かと思ったら、そんな日常のことから始まった。
「咲はチャラそうに見えて意外と自分に責任感を感じてしまう子です。北嶋家のことで責任を感じているのならば、取り除いてやらないといけないと思います…」
「信じてあげてはどうでしょうか?咲さんは待宮さんが思っている以上に強いと思いますよ?」
「そうですよね。それで…」
「父とは特にPLATINUMについて話してません。なので真意はわかりませんが、父はお気に入りを汚されるのが好きではないので…とだけ、言っておきます」
「はい?」
ははっ、やっぱり理解できないよな。
待宮さん的には皇が待宮を受け入れてくれるかどうかがポイントなんだろう。咲さんから反マリモのことは聞いてるだろうし、待宮家は抜けたとは言え、元は北嶋一派だ。不安が残るんだろうな。
「あ、そう言えば昨日、電話越しに言っていた英国モデルの件について進展はあったんですか?」
「それがイメージが中々固まらなくてですね…ネットで英国や紳士について調べたのですがどれもピンと来ないんです」
「まぁ、坊やからの小さなアドバイスだと思って聞いてください。
この後、海外に出るのならばその国に合わせたモデルを作ってみるのもいいのではないでしょうか?PLATINUMと言えば、大体は紳士淑女のイメージに日本の独特の文化を取り込んだ老舗ブランドです。
例えば、米国モデルとか、中国やロシアなどなど、あげればキリがないです。そんなPLATINUMからかけ離れた商品を作ることによって違う客層から支持されると思いますよ」
「ほぉ…」
いや、待宮さんメモまでしなくとも…
「んぅー、そうですね。デザインはそちらの専売特許かも知れませんが、俺のような若輩者が考えるならば…英国といえば、紳士淑女と貴族のイメージです。スーツではなく、あまりない英国をモデルにしたシンプルで目立たないアクセサリーを作ってはどうでしょう?あと、値段を少しリーズナブルにして、高級老舗ブランドのならではの高級なものだけど、私も俺も使えるという、一般向けのモノも作ってみてはいかがでしょうか?そうですね...アクセサリー、服...違うな」
男女どちらともが使えるものがいいな。帽子とか?
「そうだ!帽子なら、男女どちらとも使えますし、リーズナブルな価格で提供してはどうでしょうか?」
「高級を売りにしていたPLATINUMのイメージを無くすのか!
なら、高いと安いで層を作ってもいいかもしれないな…。安い方には今出てきたばかりのデザイナーを使えば、デビューの足掛かりにもなるし、デザイン料も安くすむ…」
そこまで言ったつもりは無いけど、さすが経営者、多くを語らずとも伝わったか。
「では、そろそろ良いお時間ですし、失礼させていただきます」
社長室の時計が18時を指していることもあり、そう待宮さんに言った。
「はい、あの、迎えは?」
「19時にPLATINUMの前にこさせます。
わかっています。来るのは待宮さんだけではなく、PLATINUMの幹部も来られるのでしょ?」
「気づかれていましたか。
はい、幹部の中でも選出した3人を連れてゆこうかと…」
「大丈夫ですよ。それでは失礼いたします」
「はい…」
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