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自室に戻ると、イギリスの経済や会社、ブランドについてまとめた資料を本棚から取り出した。そして、ファッションブランドの欄を見る。
CastleやSOAMASAなどが人気だろ。上品でなおかつ、イギリス人のニーズにあっているブランドだ。PLATINUMがこれに対抗出来るか?と、言われれば答えはNoだ。PLATINUMの雰囲気はイギリスにあっているだろうが、すぐに人気はでないだろう。ならば、その店を補う店が必要だ。そう考えると、アメリカ一択という案もあるだろう。しかし、社長さんちの気持ちを考えれば、やはりイギリスに挑戦したいという気持ちもあるだろう。そうなるとやっぱり、アメリカとの同時進出の方がいい。ハリウッドお墨付きともなれば、イギリスの売上も上がっていくだろう。
でも、PLATINUM自身がその気でないのにやる必要はない。咲さんには悪いが、俺はPLATINUMの案件からは引かせてもらおう。
ん?そう言えば、アメリカについても以前調べたな。確かアメリカのファッションブランドでPLATINUMに対抗しそうなのは、SHADOWくらいだ。SHADOWも紳士系や高級感なアイテムを中心に販売している。でも、俺の意見としてはPLATINUMの方が品質は高いだろう。
プルプルプル
ビクッ!あ、携帯か。
スマホの画面にはクエダと表示されていた。
クエダからの電話、珍しい。さっきのことだろうな。
「もしもし」
『どうしたんだい?先程は少々君らしくなかった』
「いや、本当に小さいことなんだ…待宮さんが言うことも一理ある。でも、イギリスだけに支社を建てても赤字になるだけだ。新商品の開発は忙しくなるだろう。でも、それがスムーズになるようにアドバイスしたつもりだった。それが伝わってなかったのが悔しい…」
『そうか…清光は一樹が戻ってこないとこの話は低迷するって言ってるよ?』
「父さんは?」
『女の子に癒してもらってる。SEXなしのね』
「せっ!?」
まさか、クエダの口からまたもやそんな言葉が出るとは思わなかった。
『清光も今日、色々あったんだよ』
「そうなんだ」
また、小さな嫌がらせか。俺がパーティに出席した時もあったっけな。
俺たちのことを妬んだイギリス貴族たちのめんどくさい嫌がらせだ。
「父さんに日本に戻ってきてと伝えてといてくれ」
『了解した。一樹、愛してるよ』
「ん、俺も愛してる」
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