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小学生編
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ぼくは昔からよくいじめられていた。
皆よりも小さくて弱かったからだと思う。
***
小学三年生の頃
「しのぶはこっち来んなよ、男女!」
「男のクセに女みたいな顔しやがって、気持ちわりぃ」
僕も皆と一緒に遊びたくても誰も仲間には入れてくれなかった。
パパとママには心配かけたくなくて家にいる時は明るいフリをしていた。
相談できる人なんていなくて僕はいつも1人だった。
「お前、ひとり?皆と遊ばねぇの?」
僕がいつも通り、1人小学校の校庭で砂遊びをしていると突然五年生の男の子に話しかけられた。
「え、え?」
こんなこと初めてでどうしたらいいのか分からずに答えられずにいると、男の子がもっと近づいてきた。
「ねぇ、皆と遊ばねぇの?」
僕が聞こえてなかったと思ったのか、耳元でさっきよりも大きな声で言われる。
「あ、あの…僕は気持ちわるいから…誰も遊んでくれないの。」
皆が言っていた理由を口にする。
本当はこんなこと、自分で言いたくなかったけど。
「はぁ?別に気持ち悪くねぇじゃん。可愛いよ、お前。」
男の子はそう言って笑う。
そんな事言われたの初めてで、嬉しくて胸がきゅーってなって涙がこぼれた。
「え、ちょっ、何で泣くんだよ!?俺が苛めたみたいだろ?」
男の子はあわてて僕の涙を服の裾でゴシゴシと拭った。
ちょっと痛かったけど、僕はそれでも嬉しかった。
***
「あっ!」
「あ…」
あの後、男の子に名前も聞けないままにお別れして家に帰ればうちにその男の子がいてびっくりした。
男の子の方も驚いたみたいで、嬉しそうに駆け寄ってきた。
「ここ、お前ん家だったんだな!俺、隣の家に引っ越してきたんだ。」
男の子は嬉しそうに僕の手を握りブンブンとふる。
「俺は金井 梓馬。お前は?」
「僕…佐藤 忍、です。」
「しのぶ、よろしくな。」
僕とは正反対の明るい性格の金井くん。
凄くキラキラして見えた。
「よろしく…金井、くん。」
「名字呼びはなしな。したの名前で呼べよ。あだ名とかでもいいけど。」
「えっと…じゃあ あーちゃん、とか?」
「あーちゃんって…まぁ金井くんよりはいいか。」
僕に今日、初めて友達が出来た。
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