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小学生編 3
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「おい、しのぶ。楽しそうだな。」
「あ…」
あーちゃんと遊んでいたらイジワルな男の子達が僕等を囲む。
「なんだ、てめえら。…もしかしてお前らがしのぶの事苛めてんのか?」
あーちゃんが男の子達を睨むと男の子達はビビった様に1歩後ろに下がった。
優しいあーちゃんの新たな1面に僕も少し驚いてしまった。
「急に出てきやがって…お前何なんだよ!こんな女みたいなやろうと仲良くして、気持ち悪ぃ。」
ビビりながらも男の子達の1人が暴言を吐く。
僕のせいであーちゃんまで嫌がらせを受けている。
「あーちゃん、ごめんなさい…僕のせいであーちゃんまで…」
「しのぶのせいじゃないだろ?しのぶは悪くないよ。」
優しいあーちゃんが僕を慰めてくれる。
「お前ら、なんか好きな女子苛めるガキみてぇ。」
「っ…ち、ちげぇし!」
「…痛っ」
「あーちゃんっ!」
顔を上げるとあーちゃんが右目を抑えていた。
あーちゃんの右目から赤い液体がスーッと流れる。
「ひぃっ…」
血だ。
あーちゃんの足元に大きな石が転がる。
誰かが僕に投げた石がかばったあーちゃんに当たったらしい。
「あーちゃん!あーちゃん!」
あーちゃんが死んじゃう。
そう思ってら悲しくて涙が止まらなくなった。
「死んじゃやだ…あーちゃん!」
「死なねぇよ。ってか勝手に殺すな。」
自分の方が大変なのに僕を気遣って笑ってくれる。
「俺は大丈夫だ。ちょっと怖いかも知んないからしのぶは目え瞑ってな。」
え?
何が起こるのかも分からないまま僕は言われるままに目を瞑る。
ドスッ、ドスッ、ドスッ、
何かが倒れる音がしてしばらくたった。
「しのぶ、目開けていいぞ。」
目を開くともうあの男の子達はいなくなっていて、目の下の血が乾いて頬に付いていた。
「あーちゃん、保健室!」
「ん?この位平気だよ。目の下切っただけだし。」
「だめっ!」
平気だというあーちゃんを無理矢理保健室に連れていく。
連れていく途中、あーちゃんは言った。
「しのぶの事は俺が守ってやるからな。」
その日からあーちゃんは僕のヒーローで、大好きな人になった。
小学生編 完
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