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入学式 4
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「しーのーぶー、何で先帰ったんだよ!」
あーちゃんがやっぱりノックをせずに僕の部屋に入ってくる。
どうやら今日あーちゃんを待たずに先に家に帰ったのを怒っているらしい。
「ご、ごめんね。あーちゃんの教室に行ったらなんか、涼さんと話盛り上がってたみたいだったから…」
「そんなの気にしなくていいのに。」
あーちゃんは僕が1人で帰ると危ないから一緒に帰ろうと言ってきた。
でもあーちゃんだって放課後は忙しいだろうし申し訳ない。
「あーちゃん、僕ひとりでも大丈夫だよ?」
「何言ってんだ。気なんて遣わなくていい。」
「でも…」
「でもじゃない。俺がしのぶと帰りたいの!」
そう言われれば断る理由が無くなってしまう。
本当は放課後も涼さんといたいんじゃないの?
聞いてしまいたいけど、臆病な僕にそんな事を聞く勇気なんてなかった。
「それよりしのぶ、今日学校どうだった?」
話は少し変わり、心配そうに尋ねるあーちゃん。
いつもは一人ぼっちで終わっちゃうからあまり話すことはないんだけど、今日は話したいことがあった。
「あのね、僕友達が出来たよ!」
あーちゃんなら喜んでくれるよね。
そう思ってたんだけど、何故かあーちゃんの表情は暗くなる。
「あーちゃん?」
「それってどんなやつ?」
「え、えっと…僕と同じくらいの身長の子で東雲 空太くんって言うの。隣の県から来てるんだって!」
「うーん、大丈夫かなぁ…」
あーちゃんは何か考えこんでいる。
「そいつ、しのぶの事狙ってるとかじゃねーよな?」
「ねらう?」
何の話だろう。
「まぁいいや。明日そいつと会わせろ。俺が判断してやる。」
「えっ!?」
まったく、過保護なんだから…
そらくんはいい子なんだからね!
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