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電車 3
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「可愛いね…」
「ふぅっ…はぁ……」
後ろから耳元で囁かれる男の声。
息が上がり、吐息が漏れる。
嫌だ、嫌だ、嫌だ、
あーちゃん助けて。
現実から逃れるようにギュッと目を閉じる。
"〇〇駅に到着します。出口は右側です。"
車内アナウンスがなる。
でもまだ僕の降りる駅じゃない。
どうしよう…
「しのぶ、こっちだ!」
「え…」
ここにいる筈のないあーちゃんの声。
掴まれた腕を引っ張られ流れに乗って電車を降りる。
「あーちゃん…」
またあーちゃんに助けられた。
「あーちゃんっ…うぅっ……」
緊張の糸がほぐれ涙がこみ上げる。
「すぐに助けてやれなくてごめんな。」
いつもは抱きつくと嫌があーちゃんが僕の泣き顔を隠すように抱きしめてくれる。
「あーちゃん、あーちゃんっ…」
僕が泣き止むまでずっとあーちゃんは僕に付き合ってくれた。
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