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喧嘩 2
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あーちゃんがどこかに行ってしまってからもう随分と時間がたった。
日ももう沈みかけている。
あの後僕はあーちゃんに言われた通り真っ直ぐ家に帰った。
それでもあーちゃんが心配で部屋でずっと携帯と向き合っていた。
「しのぶー!」
1階からママに呼ばれて、ずっと携帯に集中してたからビクッとなる。
「な、なに?」
「梓馬君来てるわよー。」
「えっ!」
あーちゃんが帰ってきた!
よかった、無事だったんだ。
僕が勢いよく立ち上がると椅子がバタンと倒れたけど気にしない。
一目散に1階に駆け下りる。
「あーちゃん!」
「おぅ。」
飛びつこうとして僕はピタリと足を止めた。
「あーちゃん、怪我してる…」
全然無事なんかじゃなかった。
あーちゃんは顔にたくさん傷やあざを作って帰ってきた。
顔だけじゃない。
服で隠れて見えないが体にもいっぱいあるのだろう。
痛そうに腕を抑えている。
「今日はしのぶをひとりで帰らせたりしてごめんな。」
そう言って謝るあーちゃんを見ていると涙で目の前がぼやけてくる。
「あーちゃんのバカ…」
今聞きたいのはそんな事じゃない。
そんな事、謝らなくていい。
自分が傷つくことに無関心なあーちゃんに怒りが湧いてくる。
「手当するから…僕の部屋来て?」
そう言えばあーちゃんは大人しく僕の部屋へ来てくれた。
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