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キスシーン 2
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僕はそらくんに言われるままに空き教室でそらくんの帰りを待っていた。
ガラッ
扉の開く音。
「そらくん!…じゃ、ない?」
入って来たのはそらくんよりもっと背の高い人。
「あーちゃん…」
なんで、なんであーちゃんがここに?
近寄ってくるあーちゃんに僕は後ずさる。
今はだめ。
泣き腫らした目。
こんな顔、見せられない。
またあーちゃんに心配かけちゃう。
あーちゃんには涼さんがいるのに…
「しのぶ」
「来ないで!」
あーちゃんの顔が傷ついたように歪み、僕の胸が締め付けられるように痛んだ。
僕があーちゃんを拒んだのは初めてだった。
「空太から、しのぶが泣いてるって聞いてきた。」
そらくんから…
どうしてそらくんはそんな事したんだろう。
今、あーちゃんにだけは会いたくなかったのに。
「しのぶが好きな人に泣かされたって聞いた。しのぶの好きな人ってだれ?」
僕は首を横に振る。
言えない。
あーちゃんにだけは、言えない。
「泣かされてもそいつが好きなのか?」
「…うん」
何度も諦めようとした。
でも諦められなかった。
何をされたとしても、僕はあーちゃんを嫌いにはなれないんだ。
「しのぶ…」
あーちゃんは僕を抱きしめる。
「いやっ…」
「俺じゃ、ダメなのか?」
「…え」
どう言う事?
俺じゃダメかって…
「しのぶに好きな人が出来た時はちゃんと見守ろうと思ってた。その時は諦められるって。でも…しのぶを泣かせるような奴にしのぶはやれない。
ごめん、しのぶ。でも俺は、しのぶが好きだ。もう我慢したくない。」
ぶわっと涙が溢れて零れた。
あーちゃんが、僕を好き?
夢じゃない?
「泣くほど嫌か。」
「ち、ちがっ…」
僕から離れようとするあーちゃんの服を掴む。
嫌じゃなくて…
「僕もっ、あーちゃんが好きっ!」
ちゃんとあーちゃんの目を見て伝える。
「んっ…はふっ…」
僕の唇はあーちゃんに塞がれた。
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