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「ん…っ」
初めは、少し触れるだけだった。
一度唇が離れて至近距離で目が合うと、それがもう一度の合図かのようにまた唇が重なる。
今度は何度もついばむように角度を変えながら求められて、必死で涼さんに応える。
離れたかと思うと上唇を舌でなぞられ、ゾクッとする。
「あ…」
また、目が合う。
涼さんが微笑む。
何度もその舌で俺の唇を舐める。
たまらなくなって少し唇を開けると、そこから舌をねじ込まれ、俺の舌をつついたり歯茎をなぞったり、今までしたことのない領域のキスをされた。
こんなの初めてで、されるがままになるしかなかった。
ようやく離れたかと思うと、俺のだか涼さんのだか分からない唾液が糸を引いて、切れた。
「…圭斗、今すごく色っぽい顔してる」
そう言って、もう一度優しくキスされた。
その流れで、二人でゆっくりベッドに倒れ込む。
「…本当に、いいの?」
俺は小さく頷く。
それを見て涼さんは優しく笑う。
かと思うと、俺の右耳を舐めた。
「…っ!!」
「あ、圭斗耳弱いんだ」
すぐ耳元で囁かれると、くすぐったくてたまらない。
涼さんの息遣いと舐める音が、すぐそばで聞こえる。
それだけで、おかしくなりそう。
「暴れないで」
「あ…」
なんていうか、涼さんは…めちゃくちゃ、えろい。
普段から、その美しい所作と綺麗な顔立ちが色っぽい人だとは思っていたけれど。
「圭斗、好きだよ。」
「っ…、」
俺の左耳を、頬を、顎を、首筋を…
ゆっくり舌でなぞる。
その舌遣いが絶妙で、無意識に身体が跳ねてしまう。
「あっ、ちょっと待って、そういえばシャワーは…?」
「いいよ、別に」
「俺汗かいてますよ…!」
「気にしないよ」
明るいままの照明のもと、上半身を裸にさせられて恥ずかしくて言ってみるものの、そんな抵抗は通じなかった。
「…涼さん」
「ん?」
「…恥ずかしい」
「僕も一緒だから」
嘘だ。
涼さんはめちゃくちゃ余裕そうな笑みを浮かべてる。
「…っ、」
そーっと乳輪をなぞられる。
くすぐったい。
その後も涼さんは俺の身体を指で触れたり舌で舐めたりして、全身をくまなく愛撫していく。
「あ…っ、」
「おへそ気持ちいいよね」
自分の気持ちいいところをいくつか新たに発見し、
「や…っ!」
「へぇ、太ももかなり弱いんだね」
同時に涼さんにもバレてしまった。
どれほどそうしていただろうか。
俺も涼さんもとっくに全裸で、そこに対する羞恥は既に無くなっていた。
涼さんに触れられると声が出てしまうほど気持ちいいのに、肝心なところには触れてくれない。
先走りだけが先端から溢れ出て、もどかしくて、イきたくてたまらなくなってくる。
「ねぇ、涼さんっ、俺、…っ」
「ん?」
「その、…っ、イきたい」
「…出したいの?」
「…はいっ」
「そうだね、とろとろだもんね?」
焦らされまくって、もう我慢できない。
恥ずかしさより欲が勝って懇願すると、ようやく涼さんの手が俺の性器に触れる。
「あぁっ、」
それだけで、嬉しくて、気持ちいい。
「…っ、涼さん」
「ん?」
「俺、やばいかもしれないです」
「なにが?」
ぎゅっと強く握られるだけでかなり感じてしまう。
「すぐ、イっちゃいそう…」
「…いいよ、」
「やだ、っ、あ!!」
えっちなスイッチが入った涼さんは、少し意地悪だ。
急に高速で手を動かすから、俺はすぐ果てた。
「…圭斗、たくさん出たね」
「はぁ…っ…、恥ずかしい…」
自分で処理するよりも気持ち良かった…。
俺、今どんな顔してるんだろう。
涼さんに見られたくなくて、脚をすり寄せて手で顔を隠し、顔を背ける。
「…拭いてあげるから、脚伸ばして」
ちらりと涼さんを見ると、何事もなかったかのように笑顔を浮かべている。
なんか、悔しい。
けれど自分の精液がお腹についたままなのも気持ち悪いので、従うことにした。
「ん、」
ティッシュで拭われ、なんとも言えない罪悪感に襲われる。
…高校時代に、涼さんをオカズにして抜いたときの罪悪感に似てるかも。
「…圭斗はやっぱり若いねぇ」
丁寧に拭ってくれるから、嬉しさと恥ずかしさと愛しさがこみあげた。
「…涼さんが、焦らすからですよ」
好きな人に触れられて気持ちよくない訳もないし。
「初めてなら、ゆっくり慣らしてあげようと思って」
あれ?
「俺、童貞だって言いましたっけ?」
「…圭斗、童貞なの?」
「え、あっ…」
しまった。
「…男相手は初めてで、後ろを使ったこと無いってことは分かってた。そっかぁ、童貞なんだ」
そりゃ…
友達が彼女とどうの言ってる高校時代、俺は涼さんに惚れてたから。
「…バレたくなかったのに」
「なんで?」
俺ばっかり余裕ないのは、恥ずかしいから…余裕のあるフリしたくて。
なんて言えるわけもなく。
「…恥ずかしい」
「圭斗って、意外と恥ずかしがりさんだね?」
「っ…!」
わざとらしく音をたてて、キスされた。
「…圭斗、腰あげて」
なんだろう、涼さんのこの声には抗えない。
少し腰を浮かせると、その下にクッションか何かを入れられ、常に腰が浮いた状態になる。
「あ…」
「そのまま、脚広げて」
視界の端に、自分のいやらしくみっともない下半身が映る。
恥ずかしいけれど、さっき既に涼さんの手にイかされた俺は半ば無意識に、黙って従っていた。
「…ちょっと冷たいの我慢してね」
「え、」
とろりとした液体が、俺の脚の付け根周辺にかけられる。
これって、ローション…
「…後ろに指入れるけど、いい?」
いよいよだ。
小さく頷く。
「ゆっくり入れるからね、力抜いて…」
「…んっ」
お尻に違和感を感じる。
「…わかる?」
「…分かります」
「痛い?」
「…あんまり痛くはないです、けどっ、変な感じがする…っ、」
「指増やすよ」
「…っあ!」
「大丈夫?」
「…痛い」
「じゃあ、ゆっくりいくよ」
俺の中で涼さんの指が少しずつ動いているのが分かる。
慣らすためか、しばらくずっとそうしてくれていた。
「…圭斗、そろそろどう?」
「…え、」
「痛くない…?」
涼さんの視線はすごく色っぽくて…。
涼さんももう入れたいのかも、と思う。
涼さんがたっぷり指で慣らしてくれて、さっきと比べて痛くないし…そろそろ大丈夫なのかも。
「…はい」
「じゃあ、指抜くよ?」
指が抜かれた。
次は、いよいよ涼さんが…。
「圭斗、俺の肩に脚乗せてもらえる?」
「こうですか?」
「そう」
たぶん、涼さんに丸見え。
もうどうにでもなれ。
ひやっとしたローションが少し足される。
「いい?」
「…っ、はい」
俺がそう応えると、涼さんの先端が、俺の中に…
「あぁぁぁあ゙!」
「痛い?」
「痛いっ」
「力抜いて」
「はいっ、ぁあ゙!」
想像の上を行く痛みに、声を我慢せずにはいられなくて。
「いたぁいぃ……っ」
「ごめん、抜くから、ちょっと待って」
涼さんは痛がる俺をいたわってくれたのか、すぐに止めてくれた。
びっくりした。
こんなに痛いなんて。
指の比じゃないや。
「はい、これ。涙拭いて」
「えっ」
ティッシュを渡されて、自分が痛みで泣いていたことに気づいた。
「血は…、出てないね」
優しく確認してくれる。
「脚、下ろすよ」
涼さんの肩に乗ったままの脚をゆっくり下ろしながら、涼さんは言う。
「ごめんね、下手くそで。痛かったよね…」
「…大丈夫、です」
めっちゃ痛かったよ。
びっくりした。
「…指もそんなに気持ちよくなかったでしょ。慣れないうちは、痛いだけでなーんにも気持ちよくないんだよね、お尻の穴って」
使ったティッシュやコンドームを片付けながらそう言う涼さんは、切なそうで。
「…涼さんも、そうだったんですか?」
「…うん、初めて男の人に抱かれたあと、もう絶対したくないって思った」
あ…
もしかして涼さん、俺がもうしたくないって思ってると思って、切なそうなのかな。
「…でも、やっぱり好きな人とは繋がってたくて。時間をかけて、気持ちよくなれるようになったんだ」
片付けが終わったのか、俺を見ていつものように微笑んだ。
いや、いつもより少しだけ悲しそうに。
「慣れさえすれば、前でイくより気持ちいいんだけどね…」
俺に布団をかけ、隣に座って同じ布団に入り、寝たままの俺の頭を撫でてくれる。
涼さんはこんなに俺に良くしてくれるのに…俺は?
「涼さん…」
「ん?」
寝転んだまま涼さんに寄る。
「…どうした?」
「俺、今日涼さんに何も出来てないです」
「…良いんだよ」
だって、涼さん結局イって無いじゃないですか…
喉まで出かかったそんな言葉を飲み込んで、代わりに涼さんの膝に顔を埋めた。
涼さんに何て言っていいか分からない。
涼さんが優しい分、お尻の痛みは短くて済んだ。
でも涼さんが優しい分、涼さんの気持ちに応えられなくて心が痛い。
やっぱり俺じゃ、涼さんに釣り合わないのかもしれない…。
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