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昼飯を持って生物室へ向かう。
着いて来ようとする取り巻くにひらひら手を振って言外に着いて来るなと示す。
そこまで馬鹿じゃない女子達は道を空けてくれるから2階へと向かった。
勿論女の子は可愛い。
可愛いけどあの人には敵わない。
足早に階段を降り生物準備室の扉を叩いた。
コンコンッ
「はい、どうぞ。
あ…」
腕で隠した袋はコンビニの物。
近付くとおにぎりが見えた。
「先生、おにぎりだけ?
足りるの?」
「え、あ、はい…。
あの、用件は…」
こちらを見ようとしない教師を無視してガムテープで穴を塞いだ古びたソファに腰を下ろす。
なんで…と小さな声が聞こえるが聞こえないふりをしてコンビニ袋からサンドイッチを取り出した。
「1人で食べるの味気ないでしょ。
俺は味気ない。」
「……」
「それ中身なんですか」
「…梅」
指を刺すのは急な来客に背中に隠したコンビニ袋の中身。
大した興味はないのかふーんとたまごサンドにかじりつく。
「早く食べないと昼休み終わっちゃうよ。
次、選択で授業あるでしょ。」
「あ、はい…。
いただきます。」
もそもそと食べ出した相川を見ながらペットボトルの口を開ける。
無糖の紅茶を一口煽りながら、小動物の様に食べる相川に視線を送るが相川は気付かない。
いや、気付いていて気付かないフリをしているのだろうか。
だた、その背中を見つめ続けた。
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