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開き直りー8ー
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碧が放った言葉に食堂にいた他の人まで衝撃を受けた。
α至上主義の九条家にΩが存在するなんて誰も思ってなかったから。
αの両親からΩが生まれることなんてまず無い。
と言うことは希一の母がΩと言う事実を示していてそれが周りはショックだった。
「碧さん……」
不安そうな顔をする希一に碧は言葉を続ける。
「希一に指一本触れてみろ。
九条一族は絶対に許さない」
そう言葉にする碧の鋭い目つきは人を殺しそうなほど怖くあの天使のような顔は一瞬にして悪魔のように変貌した。
それに畏怖された彼らは全身から冷汗が出て動くことができないほどだった。
希一が身内だと言ってしまったことで九条一族から咎められるだろうが
別に構わないと思った。
例えこれで当主になる権利を剥奪されても。
彼の笑顔が見られるのならそれでいいと思ってしまったんだ……
そんな彼に雫は苦笑いをした。
こんな彼は今まで見たことない。
誰かを守るなんて概念はなかったはずなのに、これは完全に惚れてしまったのだと思った。
「碧さん……」
「お前は何も言わなくていい。
これは僕の意思だ。
否定されたくない」
「……はい」
希一もそれ以上は何も言えなかった。
彼がそう言うように否定することは守ってくれた彼にとても失礼だと思ったから。
「あの、ありがとうございます」
「ああ」
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