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過去のトラウマー8ー
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泣き腫らした目を擦り立ってドアを開けると父が帰ってきていた。
「父さん………」
「……ご飯出来てる。
食べられるか?」
「うん……」
父は何も言わなかった。
それが今は凄く楽だった。
でも、夕飯はどことなく重い雰囲気で息苦しい。
風呂に入ってようやくその雰囲気から解放されたが自分の姿を鏡でみて絶望感に苛まれた。
体が真っ黒に染まっているようで汚い。
汚いからシャワーを浴びながら真っ赤になるまでごしごし擦って汚れを落とそうとする。
けれどいくら擦っても綺麗になってる気がしない。
気持ち悪い………
「希一様」
「……!?」
「中々御上がりにならないので大丈夫ですか?」
「……大丈夫、もう上がるから」
棗が中々上がってこない希一を心配して来たようだ。
希一はすぐに上がって何でもないように振る舞う。
すると父と目が合った。
「希一、ここに座りなさい」
「……はい」
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