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Kissing under the mistletoe(期間限定公開)
宿り木の下で6
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暁は愛しさを込めて、雅紀の前髪をかきあげ、可愛いおでこにそっとキスを落とした。
はっとして目を開けた雅紀に、安心させるように微笑むと、ぐいっと腕を掴んで引き起こす。
「……!?」
雅紀は急に何が起こったの?とでも言うように、驚いて暁を見上げた。目元を薄く染めうるうるさせている雅紀の、ちょっと垂れ気味の大きな瞳が、戸惑いに揺れている。
……んな顔すんなって。可愛いから。大丈夫だ。怖がんなくて、いいぜ。おまえの不安、消えちまうまで、俺はずーっと抱き締めててやるからさ。
暁は雅紀の華奢な身体を、ふんわりと包むように抱き締めた。愛しくて可愛くて仕方ない恋人。仕事が終わるまで、触れるのを我慢していたのは、暁も同じなのだ。
……なんつーか……ほっとすんだよなぁ。こいつ、こうして抱き締めるとさ。まるでもともと自分の1部だったもんを取り戻す……みてえな感じ?
抱き締めた身体から伝わる体温。かさかさの心が潤うみたいに、優しい温もりがゆっくりとしみていく。
「はぁ……あったけえな……。ようやく雅紀を補充出来たぜ~」
しみじみと呟きながら、身体をすりすりしてくる暁に、雅紀は思わず頬をゆるめた。
……ふふ……。暁さん……可愛い。大きなわんこ、みたいだ……。
不安と緊張にちょっと強ばりかけた心が、柔らかくほどけていく。
雅紀はくすっと笑って、暁の額に自分のおでこを合わせて、まっすぐに見つめ合った。
……キス……したいです……。
雅紀の無言のおねだりは、どうやらちゃんと通じたらしい。暁の目が優しく微笑んでいて、雅紀はすっと身体の力を抜いた。2人の唇が、どちらからともなく、自然に重なり合う。
初めてのキスは、忘れもしない、出逢ったその日、もじ丸の離れの座敷で、だった。
迷い子のような目をして、ぽろぽろと零した雅紀の涙が綺麗すぎて、どうしようもなくせつなくなった。泣かしちまった。泣き止ませなくちゃと、何故か焦って、ちょっと強引に奪ってしまった柔らかい唇。
あの日から、もう数え切れないくらい唇を重ねてきた。でも、何度キスしても新鮮で、重なる度に想いはふくらんで、愛おしさは増すばかりだ。
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