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「寝るっつーのはな、大人だとか子供だとか関係ない。
だから、ベッドに上がれ」
イマイチ理解出来なかったけど取り敢えず言われた通りにベッドの上にあがって壁際に寄った。
「そんなに寄らなくていいが…まぁいいか。
そんで横になれ」
いつもと違うことに何をされるかという怖い気持ちが僅かながら浮かび上がる。
少し身体を強ばらせつつも横になると篠田さんも隣に寝転がる。
ギシ、という音がやけに大きく聞こえた。
「いいか、これからは普通の生活ってやつを教えてやる。
と言っても俺の仕事自体普通ではないが…」
さっきよりも断然近い距離に心臓がうるさくなる。
すると、篠田さんは布団をかける際に俺のことを抱き締めた。
まるで、安心しろとでも言うかのように。
それが酷く居心地が良いのだけれど、眠気は襲ってこない。
冴えた頭で思い出すのは先程見つけた発見。
「あのね、篠田さん
お風呂入った時にね、シャワーから暖かい水が出たの。篠田さんのお風呂は気持ちいいね」
「…そうか、そりゃ良かった。
お湯って言うんだぞ、それ。」
「お湯ってもっと熱くて身体にかけて楽しまれるやつじゃないの?」
自分が知ってるお湯とあの暖かい水が一致できなくて聞いてみる。
篠田さんは困ったように笑って
「それは間違った使い方だ」
と教えてくれた。
「真、おやすみな」
「…おやすみなさい」
初めて言ったその言葉にまたポカポカする。
篠田さんとあって間もないのに、こんなに幸せにしてくれる。
嬉しい反面、次に訪れる不幸を考えて怖くなってしまった。
体は疲れてるけれど、横になってるから疲れは取れる。
眠気はやってこない。
結局篠田さんが寝てても俺は起きてて、篠田さんが起きる頃にも俺は起きていた。
「…おはよ…こりゃ寝不足だな…
お前はちゃんと寝れたか?」
寝る前と変わらず抱き着かれながら聞かれるもんだからついつい
「寝てない」
と馬鹿正直に答えてしまった。
「…寝心地悪かったか?」
「そんな事ない、と思うけど、眠気がなくて。」
「そうか…
俺は今から組に行くがお前は留守番してるか?それとも力翔のとこ行くか?」
我儘なんて言えないからどちらでも良かった。
だけど、1人よりりっちゃんに相手してもらいたい。
それは迷惑かな…
でも、一人はまだ、怖い。今すぐに叔父さんが来そうで。
「…良いなら、りっちゃんと一緒にいたい、です。」
そんな俺のワガママに篠田さんは頭を撫でてくれて、「分かった」と言ってくれた。
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