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18歳以上ですか?
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23、と、感謝
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久しぶりに宮日の顔を見た。
そう仲いいわけでは無いが、何かと懐いてくれる可愛げのある奴だ。
可愛げはあっても可愛くはないが。
俺はあんな奴だと知っているからさして違和感は無かったがあまり人と接してなかった真のことだ。
怖がってしまっていた。
「あいつは嫌いか?」
「……嫌いではない、けど、苦手」
傷付けないように、そして俺を怒らせないように言葉を選んでから真はその言葉を発した。
嫌いって言い切らないのが、なんかいいな。
苦手な奴と同じ仕事をしてる俺って恐怖対象になるのか?
いや、そもそも俺は元から恐怖対象にはなってなかったな
ぼんやり考えていたら雑貨が置いてある店に着いた。
ショッピングモールはうるさいし、落ち着けないから好きではないが少し歩けば行きたい店に行けるってのは楽でいい。
真を連れて香水売り場へと向かう。
「真」
呼んでみて真がこっちを見た瞬間にシュッとテスターを軽くかけてみる。
甘ったるい香りはせず、俺が好むラベンダーの香り。
「わっ…
いい香り…」
真も最初は驚きはしたもののその香りにそこまで怒らなかった。
「いろんなテスターがあるから試してみな」
促してやると恐る恐る、と言った感じで数あるうちのテスター1つを手に取る
シュッと自分の手の甲に付けてみてくんくん、と香りを嗅ぐ姿が可愛らしい。
ある程度試してから困ったように俺に
「篠田さんはどれがいいと思う?」
と聞いてきた。
普段から香水なんて付けないからこだわりなんてものは無いし、正直なんでもいい。
流石にそれを口に出せば拗ねてしまいそうだから黙っておくが。
「気に入ったのが無かったのか?」
「…いいなって思うのはあった、
でも、篠田さんがいいなって思うやつがいい」
何でもかんでも俺が中心。
自分で決めろだのうざいだの、いつもだったらとっくに言ってるのに微塵も感じない。
楽しいとさえ思う。
「そのいいなって思ったやつは?」
言うか言わまいか散々迷ってから渋々と言った感じで一番最初に俺が吹っかけたラベンダーの香水を指さして俺に教える。
なんだ、同じものを気に入ったのか。
ただそれだけの事なのに何故か喜びを感じる。
こんなに平和で穏やかな休日を送ったのなんて初めてなんじゃないかと思う。
「俺もそれ、いいと思った。
他に見たいものとかあるか?」
一言そう返すとぱあぁ、と花が咲きそうな勢いで笑顔になった。
子供みたいだと思ったが、15ならばそんなものか、いや、それにしても幼いか…?
と考えていると
「あれ、見てみたい、買わなくていいから、見るだけ」
だめ?と尋ねられるもんだから何を見たいか聞く前に「いいぞ」と答えてしまった。
歩き出した真について行くとそこにはたくさんのぬいぐるみが置いてあった。
割と大きいくまのぬいぐるみを見つけ、もふ、と触ってみる。
意外に気持ちよかったのか真の興味はそれに全部注がれてしまった。
少し待っていれば強請りでもするかな…
と観察していると残念そうに手を離すもんだから、買ってやるか…と真に声をかける。
「そいつ、気に入ったのか?」
「…そんなんじゃ…ない…」
と否定しつつも目線はくまのぬいぐるみのまま。
「お前からキスしてくれたら買ってやってもいいぞ?」
ちょっとした悪戯。
別にキスされなくても買ってやるには変わらないからしなくてもいいが、ちょっとからかいたくなった。
そう、出来心。
真は考え込んで、ガバッと顔を上げると、俺に踏みよる。
身長差から真が背伸びをしてぷるぷるしながら俺の頬にちゅっ、と一瞬だけ唇を触れさせた。
「…これが、限界…」
顔を真っ赤にして言ってくるもんだから食ってしまいたくなった。
それはだめだと分かっているから考えにとどめておくけれど。
俺は約束通り、オシャレな瓶のラベンダーの香水とくまのぬいぐるみを購入した。
店に出て、くまのぬいぐるみはそのまま真に持たせてやるとぎゅうっと嬉しそうに抱き締める。
荷物になりそうだが真が嬉しそうならそれでいいかと俺は何も言わなかった。
✄--------------- キ リ ト リ ---------------✄
極道様と訳あり君を読んでくださり、ありがとうございます。
コメントやイイネ、お気に入りやしおりが私の日々の支えとなっております。
本当に感謝です…!
23ページという少ない話数ですが、運のいい事に合計閲覧数が15000を突破しました!
イイネ80
お気に入り100人以上
嬉しい限りでございます…、
そこで、感謝の気持ちを込めて(登場人物紹介も兼ねて)、今まで出てきた人物達にインタビュー形式で色々教えてもらおうと思います、
本編とはあまり関係がなかったり少しネタバレがあるかもしれません、飛ばしていただいても構わないです
別のページに入れてもいいのですが話数が途切れるのが嫌なもので…
ほかの質問やリクエスト等がありましたらTwitterやコメントで言ってもらえると助かります
Q皆さんの年齢は?
真『16歳になった、』
空『36、この道ではまだ若いから舐められないようにすんのが大変。』
力翔『乙女に年齢なんて聞くもんじゃないわよ?』
四季『俺が30、力翔が28な』
修斗『何歳やと思う?
じ・つ・は・空とお揃い、36歳やで!』
Q誕生日と身長は?
真『同時に聞くこと…?
誕生日は、よく覚えてない。5月だった気がする。
身長は、167くらい…?』
空『9月9日、184cm。』
力翔『4月11日、170はあったわねぇ』
四季『6月4日、179cm』
修斗『168cmの、12月5日やな、』
Q真くんの好きなもの、嫌いなものは?
真『甘いものは好き、あとは篠田さんといる時間も好き。
嫌いなものは痛いこと。篠田さんが居ない時間。』
Q空の弱点は?
空『特に無ぇが…親父には弱いな、あとは、まぁ、真もある意味弱点になっちまった気がしないでもない。』
Q力翔と四季はなんで付き合ったの?
四季『最初は俺の猛アピール、色々あって、力翔も好きになってくれて、今がある感じだな、
あの時の力翔は可愛かったな、俺じゃないと嫌だって泣きながら伝えてくれてよぉ…』
力翔『ちょっと!!何勝手なこと言ってんのよ!!わ、私は四季がどうしてもって言うから仕方なく…』
四季『はいはい、俺のわがままに付き合ってくれてるんだよな、ありがと、大好きだ』
力翔『そっ、そうじゃないけど…私だって…んん…』
Q宮日 修斗ってなんの組?
宮日『俺?俺はなぁ、須留田組(するだぐみ)ってとこやで、宮日組かと思ったか?残念ながら俺は、空みたく頭には向かない性格でなぁ』
Q皆は皆をどう思っているか
真『篠田さんが居てくれるから生きようと思える、ずっと一緒にいたい』
空『真が可愛い、そばに置いておきたい。力翔はうざい。でもまぁ、居なかったら居ないで少し違和感がある感じだな。』
力翔『やっぱり真くんが心配ね。空が人を拾うなんて嵐がくるわ…』
四季『組長は尊敬してる。力翔へのお仕置きっていつも楽し過ぎてやりすぎてしまうんだけどどうすればいいか。』
宮日『ちっこい奴には負けられんなぁ』
ここまで見てくれた方、ありがとうございます!
引き続き、極道様と訳あり君、宜しくお願いします
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