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「四季の弟…?」
力翔と声が揃って聞き返す。
そう言えば年の離れた弟がいたっけか…
「うっす、高3になったんすけど、ろくに学校行ってないらしくって。
どうせ街ふらついてるだけならそれくらいやらせてもいいかなぁって、一応力はあると思うし、料理もそこそこ…」
すっ、と目を細めて大事な弟のことを考える四季。
篠田組
それは、普通の極道とは少し違う。
何が違うって組員の殆どが訳ありな奴ばっかだ。
勿論、自分から入りたいと言って入った奴もいるが幹部は親父が拾ってきて育てた子供がなってたりもする。
例えば四季。
四季は親から虐待を受けていて、その果てで捨てられた所を親父が引き取ったと聞いている。
そこに弟も居たという事だろうか。
「真は、なんつーか、怖がり…な所があるが、対応できると思うか、?」
「口は悪かったり、悪ぶってたりするんすけど、後輩とかは大事にしてるし、真くんの過去を聞けば世話焼くと思うっすよ、
自分が親に大切にされなかったぶん、自分と同じ境遇の奴は自分が親になるとかいいそうな勢いで気にしたりするんで」
任せても、いいのだろうか。
でも、こんな事で悩んで四季も力翔も自分も仕事を怠るわけにはいかない。
すぐに決めるべきだ。
わかってはいるのに決断できない。
真が、もしも、四季の弟を好いてしまったらどうなるだろうか。
俺から離れるきっかけとなってしまったら。
奪われてしまったら。
それを考えると、首を縦には振れなかった。
「四季の弟なら、大丈夫なんじゃないかしら?
料理だって出来るなんてぴったりじゃない。」
「そう、だな。
頼もうか。家のスペアキーと地図、渡してもらえるか?」
力翔に背中を押され結局許した。
真を苦しめる事は本意じゃない。
まだ若干不安が残るも四季に託し、また仕事に戻った。
何としてでも早く終わらせて帰ろう。
それを糧に。
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