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暫く薬が抜けるまで仕事などしてられそうになかった。
それで、四季に車を出してもらって家へ帰る、そこまでは良かった。
「なんでお前達まで着いてくるんだよ…」
園島は真に家に誰か来たか、来たとしたらその顔を教えてもらいたい。
四季は華を引き取りに。
四季は家にあがる気は無いらしいが園島はその気満々だ。
「もし真さんが見ていたとしたら、一人でも多く捕まえられるチャンスだろ?」
真を外で立ち話などさせたくないが、他人が自分の家に入るというのは好きではない。
少しくらい休ませて欲しいのに、とため息をついてから鍵を開けた。
すると、廊下で真が震えながらうずくまっている。
それを華らしき人物がおろおろしながら見ている、そんなのが目に移った。
だるいのと今までの出来事で機嫌が悪かったが、我慢の限界を超えそうだ。
「てめぇ、真に何をした?」
自分でも思えないほどの低い低い声が出た。
この情景を見るに、こいつが真に何かした。そう取れたからだろう。
「えっ、あっ、篠田 空 さん、?おかえりなさい、じゃなくて、僕は何も…ッ!!」
焦りに焦っている姿からして余計怪しい。
俺と華のやり取りを見て四季が口を挟む。
「華、真くんに何かしたならいくら弟でも分かってるよな…?」
「兄さんまで、ちょっと、僕の話も聞いてもらいたいんだけど!?」
「おい、篠田、華さん?の言うとうりだぞ、決めつけるんじゃねぇよ。」
「園島、組長になんて口の聞き方をするんだ!!」
兄弟喧嘩と四季と園島の喧嘩、
みんながみんな言いたいことを言って頭がガンガンする。
「うるせぇなぁ!!」
ガン、と壁を殴り怒鳴ると周りはシン、と静まり返った。
その音や声を聞いて真は更に身を縮こまらせて震えながら自分の体を抱きしめていた。
もうごちゃごちゃし過ぎて何処から処理すればいいか分からなかった。
「まず、華。
真がそうなったのはお前のせいじゃ本当に無いんだな?嘘をいえば命はないと思え。」
ギラりと睨むと声も出せないのかこくこく、と懸命に首を縦に振るもんだから一応華は加害者ではないと仮定する。
信用はしてないが。
「次に四季。
園島は組のもんじゃないだろ、口の聞き方については俺が許してるんだから口を挟むな。」
「…うす。」
四季が納得いかない、という気持ちを表情にもろ出しながら返事をする。
「園島については…特に何も無いがうるさいのはやめてくれ。」
「俺のせいじゃねぇだろそれ」
とりあえずまとめあげると靴を脱ぎ真のそばによった。
「おい、真、何があったんだ?」
そっと、肩を触ったつもりだったが、真が取った行動は
「ひっ、やだ、触んないで!」
と、俺の手を振り払った。
本当にこの状況は手のつけようがないらしい。
「真…?」
「…や、あ、ごめんなさ…も、やだ…」
ごめんなさい、ごめんなさいとうわ言の様に言うと真は耐えきれなくなったのかぷつりと意識を飛ばしてしまった。
「真…っ!」
しっかりしろ!!と揺さぶるも唸るだけで起きそうにない。
「真をベットに運んどくからリビングに行っててくれ。
華は分かるな?案内してやってくれ」
気を失っただけだと分かると所謂姫様抱っこというものをして、寝室に向かった。
真は正気では無かったが、あんな風な態度を取られるのは心に刺さるな…。
責めるつもりはなくとも真に嫌われたくないと思う自分がいた。
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