アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
1-3
-
「・・・ちょっと!!」
二階に足を踏み入れた瞬間、太陽の光に溶け込んだベランダに、人が見えた。
今にも、その縁から飛び降りようとしている華奢な背中が。
幸い窓が空いていたので、5秒も経たずにその体に飛びつく。
「ひっ!?」
脇に腕を挟んで抱えると、息を飲んで振り向いてくる。
「はあ、はぁ…」
俺はそのままその子が見ていたように下を見る。
久しぶりに、心臓の鼓動がどくどくと耳に響いている。
近所の人間や通勤者が何人かこちらを見上げていた。
「あーびっくりした・・・大丈夫?」
抱えた身体は軽くて、大袈裟でなく、凍るように冷たい。
とりあえずそのままベランダから部屋の中に入った。
「もう入っちゃったけど、・・・っお邪魔します」
息切れする俺が喋る度にビクっと揺れる体を膝の上に座らせて、後ろからその顔を覗き込んだ。
肌が透けるように白い。
前髪の間から見え隠れするアーモンド型の大きな瞳と、真っ直ぐ人形のように伸びた鼻筋が、横から見ると日本人離れして見える。
希なほどの美人さんだけど、すぐに性別が男なのがわかった。
その子は、全裸だったからだ。
「君・・・服は?」
「・・・・・・」
「ていうか、これ・・・」
縮まるように膝を立てていてお腹は見えないけど、背中だけでも至る所に切り傷や痣、打撲傷がある。
腕や太ももにはやや出血している大きな傷も見えた。
「なんで、」
何が起こってるんだ?
背中からこっちにもたれさせる格好にしているけれど、男の子は、極力俺に触れないようにしてガクガク震えている。
「・・・・・・っ・・・ふっ」
どうしようかと考えていると、やせ細った腕を動かして、俺の体を懸命に突っぱねようとした。
「・・・は、ぅっ・・・っ」
焦っているのか、次第に呼吸が浅くなる。
「ちょちょ、ちょっと待って」
そのままゆっくりと床に座らせ、なんとか落ち着けようとする。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
5 / 29