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家に着いてすぐ、柴田にお風呂の準備をしてもらう。
お湯が溜まる間に少しでも眠って欲しくて、華奢な体をゆっくりソファに寝かせた。
「柴田、分厚目の毛布かなにか取ってきてくれる?」
「かしこまりました」
その時だった。
「・・・・・・す」
「え・・・待って柴田」
俺は男の子の口元に耳を寄せるようにしゃがむと、ん?と相槌を打つ。
「・・・・・・ぃ・・・で、す」
息が多くて、声はほんの一部だったけど、口の動かし方でわかった。
いらないです
「どうして?」
率直に聞き返すと、少しビクッとして、また答えてくれる。
ぼくには、ひつようないからです
「・・・毛布があった方が、温かいよ。君の体は冷えきってるから」
・・・・・・・・・
俺の言葉に、男の子は微かに眉を寄せて、唇を震わせた。
なんで俺がこんなことを言うのか、わからないというように。
もっと、理由がないとダメだろうか。
「それに、傷がたくさんあるから、毛布があった方が寝ても痛くないでしょ?」
いつの間に取りに行ったのか、微笑む柴田から毛布を受け取り、そのままフワッと体を包んでやった。
すると男の子はゆっくりと首を動かし、自分が横たえられている場所を見て。
綺麗な瞳を悲しそうに歪ませた。
「ごめ……さ…………て、ごめん、」
ごめんなさい。汚して、ごめんなさい。
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