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「ぅ・・・けほっ・・・っ、けほっ」
「・・・、柴田、冷蔵庫に入ってる水とってきてくれる?
この前、軟水のペットボトルを買い置きしてたはず」
「わかりました」
小さく乾いた咳をする体を抱えて立ち上がり、背中を優しく叩く。
「ちょっと待ってね」
たぶん、もともと喉が渇いてたところにお風呂に入って、脱水してしまったんだと思う。
家にあげてすぐに水分を摂らせるべきだった。
「お持ちしました」
「ありがとう」
さすが、
柴田がペットボトルにストローをさしたものを渡してくれる。
「そうたくん、お水だよ」
「・・・こほっ・・・ふっ・・・ぅ、・・・っ」
横抱きにして、小さな口にストローを入れた。
「ん・・・んくっ・・・っん」
一瞬驚いたあと、ストローだとわかったのか顔を寄せてきた。
見る見るうちにお水が減っていく。
「気づかなくてごめんねー」
むせないように、たまに呼吸させつつ飲ませる。
「・・・くっ・・・んくっ・・・」
目は相変わらず閉じたままで、意識もないのに、本能的に求めてる感じだった。
「・・・お。たっぷり飲めたかな」
半分を越えたあたりで、嚥下する動きが止まる。
完全に飲まなくなったのを確認して、柴田にペットボトルを下げさせた。
「申し訳ないことしたな」
「水分の心配を忘れていましたね」
抱え直して軽く背中を叩くと、けぽっと口から空気が出た。
小さい頃に見たことをやってみたんだけど、意外とできるもんだね。
顔に軽く保湿クリームを塗ってあげて、
脱衣所を出て俺の部屋に向かう。
「先生が来る間も、よく眠ってくれるといいんだけど」
「斎賀先生に連絡を?」
「うん。さっき車で連絡したんだけど、
今日は早番だから夕方には向かえるかもって」
言い難いけど、
お風呂で確認したら、
普通ならありえない場所で傷が深いところもあったから、診てもらった方がいいと思う。
「・・・そうですか」
「柴田」
「はい」
「いろいろ、先生に言わないでね」
余計なことは。
「・・・わかりました」
柴田の目線の先、
サイドテーブルに置いてある紙袋を引き出しに閉まった。
何も、問題ないんだから。
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