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2-1 要side
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第2章
「そうたくん」
柴田と話し終わり、寝室に戻ると、そうたくんが横たわったまま顔を向けてくれる。
「お腹空いてる?」
「・・・・・・」
かなり空いてると思って聞いたんだけど、どうやらそうでもなかったようで。
素直に頷くとまではいかなくても、遠慮がちに肯定することを期待していたのだけれど
問いには答えず、ほんの僅か、眉を下げた。
「柴田がクリームシチューを作ってくれるんだけど、よかったらそうたくんもどうかなと思って」
寝やすいように弱く灯した電気の下で、こちらを見上げる目。
眠る前に少しだけ明るさを取り戻した2つの瞳は、
窓の景色が一瞬にして映らなくなるのと同じぐらいあっけなく、底なしの闇を纏っていた。
「空いてなければ無理しなくていいんだけど、今朝は食べてないとして・・・昨日はご飯食べた?」
「・・・・・・」
無反応だなぁ。
少しぼんやりしているのか、しんどそう。
「そうたくーん?」
「・・・ぁっ・・・えと、」
近づいてベッドに肘をつくと、俺をはっきりと見て、慌てて小さな口を開く。
「お腹・・・、空いてないです」
「昨日は食べた?」
「・・・食べて・・・ないです」
「そっか。
・・・最後に食べたのは、いつか覚えてる?」
「・・・・・・」
とりあえず、食欲は感じてないのだろう。
ろくに食べ物を口にしていないのは体の細さと軽さでわかっていたけれど、この状態で食べたいと思わないのは心配だった。
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