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「少し食べてみてって言われたら、しんどい?」
「・・・っ、え、と・・・」
「食べられなかったら、全然、無理はしなくていいんだけど」
食べてと言った直後、そうたくんの体が震え始めた。
食べることに不安を覚える理由や記憶があるのかもしれない。
「栄養摂らないと、力も出ないし」
「・・・、」
「大丈夫?」
落ち着けるように背中を撫でると、一瞬ビクリとして、徐々に力が抜けていく。
途切れ途切れに深呼吸する様子を見守りながら、根気よく返事を待った。
「・・・大丈夫、です」
「無理はしなくていいよ」
「あの・・・き、聞いてもいいですか」
「うん」
「クリーム・・・シチューって、・・・何、ですか」
「・・・へ」
「っ、ごめん、なさい」
知らなくて。
下を向いてそう呟いた横顔は、本当に申し訳なさそうで。
「そんなこと謝らなくて大丈夫」と言うと、ゆっくり顔を上げてくれた。
「クリームシチューはね、牛乳とか生クリームをベースにお野菜とかお肉を煮込んだ料理。冬に食べると、特に美味しいの。体の芯まで温まるって言うのかな」
「・・・牛乳・・・お野菜」
「言葉だけじゃわかりにくいよねー。
あ、お野菜は好き?」
「・・・たぶん・・・
す、好きなもの・・・は、よくわからなくて」
「そっか。まぁお野菜もお肉もトロトロに煮込んであるし、柴田の料理は本当に美味しいから、味は大丈夫だと思う。
少し食べてみる?」
「・・・、・・・はい」
「食べられそうになかったら、食べなくて大丈夫だからね。無理は絶対にさせたくないから」
無理してそうだから念を押す。
「・・・わかりました」
「よし。・・・あ」
ドアに向かいながら、重要なことを思い出して振り返った。
「そうたくんは、パン派?ご飯派?」
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