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特待生として入学した僕は、学費免除の代わり、定期試験では常に3位以内をキープしなければならないという条件がある。
もし順位を落とすような事になれば、僕はこの学園にはいられなくなる。
それだけは嫌だった。
あんな所にはもう戻りたくない。
キリのいいところで教科書をパタンと閉じる。
随分と集中していたみたいで、机に置いてある時計は21時32分を示していた。
急いで自分の個室を出る。
そういえば、と今日は何も食べていなかったことを思い出し、冷蔵庫にストックをとっておいた栄養補給ゼリーを手にとる。
部屋を出ようと玄関に向かうと僕のではない靴が置いてある。たぶん、金城くんの。
いつの間にか帰ってきていたようだった。
僕は物音を立てないように静かに扉を占め、寮を出た。
そして僕はこっそりと、誰にも見つからないように裏門近くのフェンスから学園を出た。
小柄な悠がぎりぎり通る事の出来るほどの穴があるのだ。
厳則として無断外出は禁止されている。
やむを得ない事情があれば、外出申請を書かなくてはならない。
しかし、悠は申請をしていない。バレれば問題になることもわかっていた。
「 少し急がないと、バイト遅刻しちゃうかも」
───校則 第48条 アルバイトは禁止とする。
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