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「っ……あ……」
「ふう、結構時間かかっちゃったな。侑太郎くんのぼせてない? 先に髪洗っちゃおうか」
着る服がなくなった、というショックに落ち込みながらも、シャワーが遠慮なく俺の頭に降りかかる。
奏英はまるで母親のように、俺の頭をシャンプーで洗い始めた。切られていない爪が髪に絡まり、頭皮を引っかく。頭の洗い方を知らないような、乱暴な手つき。
「っつ……!」
痛い、と言う言葉を飲み込んで、ただされるがままだった。
シャンプーを流し終えると、奏英の手が当然のように体に触れてきた。びっくりして、とっさに振り向く。
「かっ、体は洗わなくていい!」
「え? せっかく服まで切ったのに?」
「っ………」
「ああ、もしかして恥ずかしいの? 大丈夫だよ、だって僕たちは家族でしょ?」
ふざけてる、こんな茶番。
奏英はボディーソープをつけた手で、俺の体を隅々まで洗っていく。他人に体を触られるという滅多にない感覚。こんなこと、彼女ともしたことがない。
ぬめりと、上半身を這うその手は、俺を観察する奏英の視線のようだった。
湯船のせいか、触られているせいか。
奏英がなぞった肌から、じんわりと熱が広がっていく。この奇妙な熱の正体を知っていた。
もうやめさせないとやばいかもしれない。
「っもう、いいから…」
「え? まだ全部洗ってないよ」
そんなのいいから、と答えようと振り向いて、固まった。
奏英は笑っていた。あのニヤけたような気味の悪い笑顔。
それから、俺の体を洗っていたはずの手は、ゆっくりと下へ降りていく。時折肌に爪を立てて、固まる俺に「どうしたの」なんてわざとらしく質問をする。
こいつ、わかってる。最初からわかってて、とぼけたふりをしてるんだ。
奴に気づかれる前に、そっと太腿を閉じてそこを隠した。溜まった熱を誤魔化すみたいに脚をこすり合せる。
しかし、奏英は見逃してはくれなかった。
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