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「…トイレ行きてぇ」
居間に一人になった俺は、昨日から我慢していた尿意に襲われ、トイレに行こうと足を崩した。しかし、ピッタリと足首を縛られているため、うまく立てない。
仕方なくソファに上半身を乗せて脚を持ち上げると、なんとか立つことができた。
その途端、パチパチと乾いた拍手が背後で鳴る。
「わぁ、すごいね侑太郎。一人で立てた!」
「っ……」
「それで、どこに行きたいの?」
「……トイレ」
ああ、と納得したように返事した奏英は、軽々と俺を持ち上げ再びお姫様抱っこをしだす。
いい加減やめて欲しくてほんの少し抵抗を示してみるが、奏英の俺を抱える手がきつくなったのを感じてやめた。
そのままトイレまで連れていかれて降ろされると、ジャージのズボンを下げられ、奏英の手が当たり前のように俺の自身に触れた。
「はい、いいよ」
「っ……トイレくらい、外してくれても…」
「ダーメ。そんな恥ずかしがらなくてもいいじゃない、僕は旦那さんなんだから」
「……だって…っ」
そんな見られてたら、出るもんも出ねぇんだよ!
背後から抱きしめられるように、奏英の手が体に張り付く。本当はすぐにでも出したくて仕方ないのに、緊張からか全く出る気配がない。
次第に恥ずかしくなって、顔に熱が集まる。
「やっぱ、いい…! トイレはもう……」
「我慢したらダメだよ?病気になっちゃうかもしれないからね」
「っだって…出ない……し…」
「そう、緊張してるんだね。じゃあ僕が手伝ってあげる」
「っやめろ!!」
ガッ、と反射的に体を後退させて背後の奏英を押し飛ばした。
…はずだったのだが、抱き締められているせいか、奏英とともに俺の体も後退し、その勢いのまま奏英の背中が大きな音を立てて扉にぶつかる。
マズイ、失敗した。
次になにが起こるかわからなくて、振り向くこともできずに固まる。
「ご、ごめん………」
「侑太郎は恥ずかしがりやだね。…やっぱり可愛いなぁ」
「っ……もうトイレはいいから、離して欲しい」
「ダーメ」
耳元で奏英がそう囁き、ゆっくりと、俺のものを掴んだ手が上下に動き出した。必死に出すまいと耐えているのに、体は外からの刺激に弱い。
「や……やめ…っ」
奏英の人差し指と中指が俺の先端を挟み込む。体に張り付いた片手でへその部分を押されると、ゾクゾクと背筋が震え、なくなったはずの尿意が上がってきてしまった。
嫌だ。こんな男の前で、出したくない…!
「うぁ…っ……ぁ、あ…っ!」
俺の願いもむなしく、せきとめられていた尿が吐き出されていく。
それと同時に中途半端に立ち上がったソレは、全て出し終わって奏英の手が離れても治ることはなかった。
「っぅ…、くそ……っ!」
「…どうしたの?」
生まれてこのかた、ここまでの屈辱を受けたことがあるだろうか。
顔が熱くて、涙まで出そうになってくる。用を足した後も自分でズボンをあげることもできずに、このヘラヘラした変態男に頼まなければならないのだ。プライドもなにも、あったものじゃない。
「……テメェ、こんなに俺をおとしめて…満足かよ?」
あまりの羞恥心に、とうとう怒りをぶつけてしまう。
もう耐えられない。こんな屈辱を受けるくらいなら、従順なふりなんてやめてやる。
「…侑太郎……?」
「っ………」
目の前がぼやける。こんな自分が恥ずかしくて、情けない。
高校生の頃、これと同じ光景を見たことがある。俺がいじめていた生徒に、みんなの前で用をたすように指示したんだ。震える生徒の背中を眺めて、俺は友達と一緒に大爆笑した。恥ずかしがる生徒の姿は、滑稽で、どんなバラエティ番組よりもおもしろかった。
だが今は、俺がそいつと同じことをされている。
「もう…っいい加減にしろ……!!」
さぞいい気分だろうと、背後の奏英を睨みつけるために振り返った。
「ごめん…ごめんね侑太郎……」
「………え?」
しかし、振り返った奏英の表情は、いつもの笑みを浮かべていなかった。まるで、叱られて落ち込んでいる子供みたいに、申し訳なさそうな顔をしている。
そのせいで、怒りが空気の抜けた風船のようにしぼんでいった。
それから奏英は俺のズボンを上げると、トイレから俺を出してくれた。
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