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「っクソ…!!」
「……侑太郎?」
そんなの、死んだほうがマシなくらい、地獄だ。
今までのストレスが爆発するのを感じた。
ずっと耐えてきた。いつか警察が、誰かが助けに来てくれるとどこかで希望を抱いていた。それでも朝起きると奏英がいて、体を洗われてキスされて、奥さんだなんだ言われてうんざりする。
元々、怯えるのなんて性に合わねぇ。
俺は違う。弱くなんかないんだ。
それから驚く奏英に向かって、抑えきれない衝動を吐き出した。
「テメェ、気持ち悪ぃんだよ!! 赤の他人誘拐して、奥さんだかなんだか知らねぇが、テメェの家族になって一生奴隷生活送るくらいなら、死んだほうがマシだ!!」
今まで溜まりに溜まった我慢が、雪崩のように崩れていく。
駄目だ。やめないと、今度こそヤバイ。
わかっているのに、止められない。奏英が傷ついているとわかっているのに、その悲しそうな顔が最高に気持ち良かった。俺がこんなに苦しんでることに、やっと気付いたかと思ったら、止まらなかった。
後悔しろ、懺悔しろ。
頭下げて詫びてみろよ、奏英。
「俺はテメェのことなんか信用しない。する必要もない。犯罪者に普通の感情を求められても困るんだよ」
「……」
「可哀想な奴、こんなことしても俺はお前の家族になんかっ…!」
腕が引きちぎられるくらいに、強く引っ張られた。
その痛みに、奏英の感情が溢れるくらい伝わってくる。悲しみなんかじゃない。
とてつもない、怒りだ。
「っや、やめろ!!」
一瞬で全身を包む恐怖から逃れようと、必死で体を暴れさせた。
しかし、奏英は俺を文字通り引きずって寝室へ連れていき、乱暴にベッドへ押し倒す。
殺される。
今度こそ、本当に。
「っ…奏英……ち、違くて、今のは…」
情けないくらい震える体に、自分でビビった。今更言い訳したって遅い。
死んだほうがマシだって言ったじゃないか。大丈夫、大丈夫、すぐ終わる。すぐラクになれる。
奏英はそっと、俺の手を掴むと、手に持った果物ナイフでその縄を切った。
「え……なんで……?」
自由になった手。
予想外の展開に、意味もわからず奏英を見上げた。
まさか、逃がしてくれるのか? もう俺を好きじゃなくなったから…。
ほんの少しの期待も込めて奏英を見上げると、その唇が弧を描く。
「だって、セックスするのに手枷は邪魔だから」
そう言うと、奏英は乱暴に俺の服に手をかけた。
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