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2月_4
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ーー明日の夜は都心でも積雪が見られるかもしれません。帰宅時間には気をつけてください。
風呂上がりにテレビをつけると、スクリーンに映る東京の夜景を背景にアナウンサーがそう言っていた。
ここ数年冬には必ず雪を見ている。
学生の頃は雪が降るだけで楽しかったが、社会人になると翌日の交通機関の心配の方が大きくなった。
あの人の誕生日も、もう明日に迫っていた。
けれど連絡は相変わらずないままだった。
プレゼントは買ってしまった。店先で一目惚れしてしまったシルバーのネクタイピン。シンプルなデザインで先端部分に名前が入れられるものだった。
スーツをこれからも着るあの人によくにあっていると思う。
受け取ってくれるかはわからないけど…
バラエティー番組へと変わったテレビを消し、ベットに横になる。
スマホの電源を入れるけど、新着の通知はなくLINEに既読がついただけだった。
ブロックされていない事に安心して、ならどうして返信を返さないのかと苛立つ。
それでも俺から別れを切り出すことは出来なくて。縋ってしまう。わずかな可能性にでも。
俺達まだ、付き合ってますよね………?
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