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遅れてきた誕生日_12
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ただでさえ、男の恋人なのにその上学生だなんて、親にも友人にも言えることじゃない。
だけど、色んなことを考えても俺は今の仕事を辞めることにした。
雄高さんとこれから生きていくのだったら…
…違う
雄高さんじゃない…雄高さんとは無関係だ。
俺だ。
俺が自分でデザイナーになりたいって、そう思ったんだ。
あのカフェを見た時、電車から街の広告が見えた時、画材を持った大きな袋を持った子達とすれ違った時。
俺が、俺がなりたかったものに、まだ諦めきれない事に、知らない誰ががその場所にいるのが、悔しくて。
きっと心の奥底ではずっと前から思っていたんだ。
俺がどう生きるかは、俺の自由だ。
それを恋人が分かってくれなくても仕方ない。
例えそれで別れを言い渡される事になっても…
そんな狡くて、勝手な考えを昔から…今でも、こんなに拗れて、好きな人を困らせて、泣かせそうにしながらも、きっと思っているのだ。
だから雄高さんに相談せずに仕事を辞めれたのだ。
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