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明るい夜_12
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「どんな風にセックスしてたかってこですか?」
俺が今一番思い当たる節を言って見ると、彼もまた頷いた。
「なんか……気づいたら手とか…」
「キスとかもですね」
雄高さんの頬っぺたにキスしながら付け足した。
「俺もしてる時、同じような事思いました」
「そっか………」
そう言った雄高さんの口角は少しだけ上を向いていた。
「やっぱこれ、いいですね」
胸元にあるネックレスを触れる。
「……ん、そうだな」
羽の部分を親指で撫でる。
そういえば、まだ今年の誕生日プレゼント渡していないことに気がついた。
「お前に会えない時これ見ると、慎の事が思い浮かぶんだ」
まだクローゼットの中に置いてあるのを思い出していると、嬉しい言葉を雄高さんがくれた。
当たり前だ。それも一つの思惑だったのだから。
「ありがとうございます。贈ってよかった」
普段から付けれるように、いつか指輪も贈りたいな。
薬指に嵌めさせて、俺の存在を縛りつけてやりたい。
………傍に俺がいなくても繋がっているのだと。
「なぁ気づいてる?」
「……何がですか?」
「慎さ、してる最中…もう殆ど敬語とれてるの」
「あぁー…、すみません。あんまり余裕なくて口が回らなくて」
そういえば何となく俺もそんな気はしていた。
「別に敬語じゃなくてもいいんだぞ…もう、結構経つんだし」
「そうですね…。でもなんか急にそれも恥ずいし…自然な感じでいきます」
それこそ、指輪を贈れるようになれたらやっと対等なのかもしれない。
いやそれ以前に俺はデザイナーとして食っていけるまではまだ社会人ゼロ年生のままだ…。
頑張らないとな。
「そっか…」
「タメ口の方が好きですか?」
「えっ…いや、そういう訳じゃないけど」
「けど?」
「…………珍しいから、ちょっと………いいかもってだけっ」
そう言うと、雄高さんは反対側を向いてしまった。
少し驚いた。
敬語とか気にする人だと思っていた。
もしかして…
「雄高…」
綺麗な背中に向けてそう呼ぶと、反応がなかった。
「雄高さん」
呼び捨ては流石に起こってしまったのかと不安になり、身体を起こして謝ろうと雄高さんの顔を見ようとした。
「すいませ…」
「………………何だよ」
赤い。いつも白いはずの顔が、久しぶりっていうぐらい赤かった。
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