アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
16番線ホーム_2
-
「だから今年受かってほんとに、ほんとに嬉しかったんだ」
「そうだったんだ。…じゃあもし落ちてたら…」
別れてた…?
「どうだろう…それは本当に、分からないや」
俺の結果しだいだったと思うと今からでもゾッとする。
「この三年間いろんなことがあったよね。お互い嫌なところも、弱いところもたくさん見てきた。その分一緒に過ごせた時はすごく嬉しくて…。
慎が大変な時なのに、俺が支えられてることもわかって。
だからもぉ、一人で生きていかないでほしい」
最後に雄高が言った言葉を理解しようとしていると、彼はポケットの中から俺がずっといつか渡したいと思っているものを取り出した。
“それ”を開けて俺に差し出す。
「これからは、俺と一緒に生きてください」
「っ……」
並んだ二つの指輪。
"一緒に生きてください"という言葉。
「これからさき、慎が傷ついたら俺も一緒に傷ついて、励ますよ。
慎が俺がつらいとき傍にいてくれたように。
二人で思い出を重ねよう」
「……でもっ……でも、俺まだ…学、生で…」
「俺が待てないんだ。向こうに行ってお前を他の奴にとられたくないし、形だけだけどお前の家族だって、夫だって思いたいし、思われたい」
どうして…
どうしてあんたはいつも、俺の欲しい言葉をくれるんだろう。
俺は片方のリングを取ると雄高の手を掴んだ。
「誓います。病める時も、健やかな時も、あなたを愛し、あなたを生涯の夫とし、幸せにすることを誓います」
誓いの言葉はうろ覚えだけど、指輪をはめる。このリングがこんなに重いだなんて俺は知らなかった。
「…ありがとう、慎」
雄高は指にはまった指輪を撫でた後、同じように俺の手を取った。
「誓います。病める時も、健やかな時も、遠いところに行って会えなくても、お前が学生でも、愛してる。俺たちは夫夫であることを誓います」
薬指にはまった瞬間キスをした。
切なくて、相手が欲しくて、深く、深くキスをする。
雄高をベットに押し倒しても飽きることなく唇を重ねた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
49 / 66