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おまけ七
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次の日眼を覚ますと、雄高はいつもの様に戻っていた。
「昨日のこと憶えてる?」
「………忘れてくれ」
記憶があるってことは、酒の飲み過ぎってわけじゃないよな…
実際、量だったそんな飲んでなかったし…
おかしいな…
でもおかしくない時が絶対ないなんて、ないんだし。
心配し過ぎかな…
「なぁ、今日どうする?」
「ん?そうだな〜」
何度かこっちまで来てくれてるおかげか、京都の大体のところは回っていた。
せっかく明日までこっちにいられるから今日はのんびりするのもいいし…
考えている間にも、南側に面した窓から肌を刺す様な熱線が降り注いでいた。
今日も暑くなるかもしれないな…
ふと頭に青い海と山が浮かんだ。
「………あ、琵琶湖行ってみない?」
昼過ぎからだったけれど、レンタカーで京都を出発した。
京都市内はバスが多くて大変だったけれど、それも時期に無くなって…というか本当に琵琶湖は京都から近い。
東京の頃は何となくでしか関西の事が分からなかったけれど、今はちゃんと関東の県の位置並みに頭に直ぐ再現できる。
「すげぇ…でっかぃ………」
意外と初めて来たらしい雄高は、目の前に広がる綺麗な青に口を軽く開けながら見入っていた。
「俺も最初に来た時は海みたいだと思ったよ」
だけど潮の香りはしない。
それでも波が砂を攫いながらこっちに来たり、また戻っていくのだから、海と相違ないと思えてしまう。
「これだけデカいなら泳げそうだな…」
「夏になると湖水浴…してる人もいるんだってさ」
「へー、霞ヶ浦とはちょっと違うんだな…」
ひとしきり、琵琶湖に感動し、波打ち際で遊び終わると再び車に乗り、琵琶湖を回りながら観光する。
比叡山とか彦根城とか関東にいた内は本当は名前でしか知らなくて、滋賀県にあるのだと伝えるとやっぱり雄高も驚いていた。
「俺らさ、グローバル化とか言いつつも実は日本のとこも分かってなかったりするよな…」
なんて苦笑いしていた。
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