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女王様
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「はぁ…」
「ごめんね、」
「いや、はるかのせいじゃないよ…」
「でもさそったのオレだし…」
「…。僕が行きたいって言った」
休み時間になり教室へ戻った悠と梓は担任の芭並 綾(はなみ りょう)に職員室へ呼び出された。悠はまだしも、普段大人しい梓まで授業をサボったため悠にほだされたと思ったらしくそれぞれ人を巻き込むな、流されるな、とこっぴどく叱られた。そんな時、悠が自分が悪いとかばってくれて、本当に王子さまみたいだと思ったのは、また今度勇気があれば言うつもりである。
梓も決していい子というわけではないのだが、そのようなイメージがあるらしい。
うさぎ公園は学校から少し離れていて、人があまりいない。一度悠の家へ寄ってから行くことになった。
「えーなにこの子!超かわいい!」
悠には一人、姉がいた。帰ってきた弟の隣の美少年に飛びつこうとして、それを弟に阻止される。
「姉キはあずさにちかづかないで!」
「「なんで?」」
「…あぶないから」
「…え、はるかのお姉ちゃんあぶないの?」
「腐腐っ。そんなことないよ!!」
「あのね、あずさ。オレの姉キはヘンなマンガしかみてないから、」
「…ヘンな?」
「うん。あずさはゼッタイ見ないほうがいい。」
「……うん。」
そう。何を隠そう、悠の姉の彩葉(いろは)は“腐女子”と呼ばれる類の女子である。
「変な訳ないじゃん!楽しいじゃん、素敵じゃん!生活必需品!」
「そうかんがえてることがあぶない」
「えー…ま、いいや。でさ、その子誰なの?梓くんって言うの?超かわいい顔キレー…」
「うん、あずさ。オレのお姫様!」
「…立花梓、です」
「は?……え、まじなの?何なの?え、まさかとは思ったけど…え」
「…………はるかぁ」
「ん?」
「なんで言っちゃったの」
「…え、ダメだった?」
「…はずかしい」
「あ、まじなのね。おいてけぼり?ちょっと待って。うちで遊んでって。30分でいいから、」
そういうと彩葉はスマホを取り出した。
「…いこう、あずさ。」
「ここで、あそばなくていいの?」
「姉キにいわれてあそぶのは、あぶなそう」
「……でも。」
「んー…じゃあ30分だけ。」
「腐腐、やった。」
このとき2人はまだ彩葉がスマホを取り出して何をしたのか、気づいていなかった。
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