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-閑話- 翡翠色のシャトル
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6限終了後、悠と梓は急いで着替えて体育館へ向かった。体育館にはバドミントンのネットを張っている最中の6年生たちの姿があった。
顧問の先生の指示で、学校のラケットを借りてコートの外でシャトルを打ち合う。悠と梓は向き合い、ラケットを右手に持って構える。構え方の説明は受けていないため、周りにいるクラブのメンバーの見よう見まねで構えの姿勢をとった。
「いくよ!」
「、うん」
はじめて打った悠のサーブはあらぬ方向へと飛んでいく。他の3年生もサーブに苦戦しているようで、ラリーの続いている組はない。
「梓、1ばんさいしょに打てるようになるぞ」
「そうだね」
今まで触れたことすらなかったシャトルを打てるはずもなく、数回続いたところで空振ってしまったり距離が足りなかったりしていた。それでも、悠も梓も学年上位の運動神経の持ち主。その抜群のセンスで、暫くするとかなりラリーが続くようになってきた。
その日は他に何をするわけでもなく、打ち合いをしただけでクラブ体験は終了した。シャトルに、“青春”と言う翡翠色の輝きを纏わせながら。
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