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こんどこそ、うさぎ姫
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「…ねぇ、この前はるかのおうち行ったときに食べたマロングラッセ、作り方教えて?」
「あぁ、姉キにきいてこよーか?でもなんで?」
「ふふっ、おいしかったからー」
「じゃあまたうちに食べに来ればいーじゃん」
「…自分でも作ってみたいし、」
今日は一週間の終わり、金曜日。放課後うさぎ公園に遊びに行く約束をしていた悠と梓は前回悠の姉たちに捕まったのを見習って、直接公園へ行くことにした。
「「……………………」」
「あっ、悠くんと梓くんじゃん!二人でデート?」
「…なんでいるんすか」
「ちょ、悠くん口調変わってる!!弟と遊びに来ただけだから!」
「…弟?」
「うん、呼ぶー?…しゅーんー」
うさぎ公園には、2日前に悠と梓で散々遊びまくった、彩葉の友達の1人、薦田 奏音(こもだ かなね)がいた。
「なにー、ねえちゃん」
「あ、これが弟の瞬!」
「……しゅんくんなんさい?」
「ろくさい!」
「…二個違い、だね」
梓にしては珍しく、他人に興味を持ったようで、自分から話しかける。
それが気に入らなかったのか悠が梓の手をぎゅっと握って、自分も話に参加する。
「じゃあオマエ1年なのか!学校は?」
「ほしのみやしょーがっこー…」
「…なんだ、星宮小か、いっしょじゃん」
「え、おにーちゃんたちがっこうおんなじ?」
「おう。こんど小1のクラスにさがしに行ってやるよ」
「ほんと!?」
「あぁ、まってな」
「………悠、フツーにしゃべりなよ」
「えーやだ。こっちのがかっこいいじゃんか。」
結局その流れのまま公園で喋っただけで遊ぶことはなかったが、2人とも新しい友達もできて嬉しかったようで、もう一度うさぎ公園へ遊びに来る約束をすることもなく家へ帰った。帰る頃、悠ははるにぃ、梓はあじゅ、と呼ばれるまでには仲良くなっていた。
その日の夜、奏音たちが「ショタしかいない」と騒いでいたことを梓は知らない。悠は隣の姉の部屋から叫び声が聞こえていたので大体察しがついていた。腐った姉を持つのは、全くもって大変である。
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