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星屑姫
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あれから約1週間。梓は悠の家に泊まりに来ていた。理由は、勿論彩葉だ。2人が寝た後にこっそり写真を撮ろうと企んでいるようである。ただ、これだけは言っておく。決してそのような写真を撮りたいわけではなく、男の子が2人純粋な顔をして寝ている写真が撮りたかった。構図も決めてあるようで、そのまま寝てしまった風にさせるガウンだって用意してある。実は彩葉、そこらでは有名なカメラマン(勿論アマチュアだが)なのだ。
―ピーンポーン―
「あ、あずさきた」
「いらっしゃーい」
「お世話になります…」
「ふふ、ゆっくりしてってね、梓くん」
「あ…、ありがとうございます。」
「そんなかしこまらないでっ‼︎ゆるーくやってくれればいいから!」
「 は、はい…?」
「ははっ 姉キ、あずさにこわがられてやんのー」
「いや、おどろいただけ…」
いつも以上にテンションの高い彩葉とそれを宥める悠に迎えられる。
リビングに通されると、彩葉がジンジャーアップルティーとマロングラッセを運んできた。
「悠が梓くんマロングラッセ気に入ったみたいって言ってたから、まだ作ってあったの出しちゃった。どんどん食べてねー!あ、あとこれマロングラッセのレシピね!……悠に作ってあげるの?」
彼女は一気に捲し立てると、最後に梓だけが聞こえるくらいの小さな声でそう言った。かああ、と梓の顔が真っ赤に染まり、不思議そうにしている悠を余所に図星か、と彩葉は心の中で呟いた。
「ごめんねー梓くん…可愛いからついからかっちゃった」
「姉キはもういってろよ」
「お邪魔だったかな?ん、じゃあ何かあったらいつでも呼んでねー」
少しばかり性格を直せば完璧な姉である。直せば。
その後もとくにこれといったことは何もなく、気付けば寝る時間になっていた。
梓の寝間着は白のレースがついたワンピース型のそれで、悠は同じようなレースの無いシンプルなものを彩葉に着せられていた。
窓のへりにもたれかかりながら身を乗り出し、2人で夜空を眺める。
「お月様、いないね」
「でもさ、あかるい星がいっぱいあるよー」
「本当だ、金平糖みたい…」
「はいそのまま動かないでー喋ってー笑って!」
「「………」」
「…さすがだね」
「…うん、さすがだ。」
いい写真が撮れた彩葉は夜中に悠の部屋に忍び込む事も無く満足した様子だった。
明日わくわくしながらも、2人は ベッドにはいるとすぐにすやすやと寝息をたて始めた。
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