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甘姫
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「…はるかぁーっ」
バスをおりて、そのまま向かったホテルの部屋で悠に抱きつく。
部屋のメンバーは梓と悠、それに悠と仲の良い男子3人だった。3人とは悠とたまに喋ることもあったので、このメンバーにしてくれた悠がありがたかった。
他の3人は外で他のクラスメイトと喋っていて、部屋には2人っきりだった。とはいえ悠はこの部屋の部屋長なので、荷物を置いたらすぐに先生のところへ集まらなければいけない。
…離したく、ない。
「…梓、そろそろ行かなきゃ」
「もう、ちょっとだから。」
悠は僕にとことん甘い。自分より僕を優先する。
それをわかっていて、つけ込む僕は卑怯だ。
「おぉーっ、結構広いな!」
ドアの音にびっくりして慌てて身体を離す。
入ってきたのは同じ部屋の華生 柳梛(はなき りゅうた)、戸尓 柚兎(このみ ゆと)、馬津 未弥(まつ みや)だった。
どうやらギリギリ見られなかったようで、みんな普通にしている。
それを確認して悠は部屋を出ていった。
「なー梓。」
話しかけられて、一瞬どきっとする。悠がいない時に話したことなんてないから、少し緊張する。
「んー?」
「俺たちさ、悠といる時ばっか喋ってなかったから梓のこと全然知らないじゃん?梓ってハーフ?」
「え、あ、うん。…ハーフじゃなくて、お母さんがクオーターなんだ」
「くおーたー?なにそれ」
「んー、親がハーフ?4分の1、みたいな」
「へー、そんなのあるんだな」
「まぁねー」
そんな緊張はよそに、普通に話せたことにほっとする。
「でさ、どこのくおーた?なの?」
「クオーター、だよ。スウェーデンだよー、一応ね」
「スウェーデン!?すげー、行ったことない」
「すごくないよー」
「いやすごいって!スウェーデンのこともっと教えて!」
悠の友達は、いい人ばかりだと思う。この人たちとも仲良くなれそうだな、と憂鬱だった修学旅行も、少し楽しめそうな気がして来た。
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いつも読んでくださってありがとうございます。
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@Torrriiino
ではでは。悠と梓の世界までお戻りください。次は悠のお話に御座います。
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