アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
甘姫2
-
梓が甘えてきて、正直びっくりした。いままで、あんな甘え方なんてされたことがなかったから。
柳梛たちが入って来た時に跳び上がって、まだどくどくと鳴っている心臓を鎮めようと、深呼吸を3回する。
普段の梓なら、見られるようなことは絶対にしない。バスの中でうなされていたから、それが堪えたのかもしれない。
そんなことを考えながら、呼ばれているエントランスへ向かった。
先生に言われた注意点を部屋の奴ら伝えて、次の予定を確認する。
今日の予定は夕飯後のレクリエーションだけで、その後には入浴と就寝だけだった。
夕飯まではまだ時間があるので、梓と話をしようとそっちへ向き直る。
「はるかー、遊びに来たー」
部屋のメンバーが一斉にドアの方を向くと、他の賑やかなメンバーが揃いに揃ってドアから首を出していた。
自分で言うのもあれだが、自分や柳梛たちは所謂“クラスの中心メンバー”なのだ。
自分たちの部屋に他のクラスメイトが来るのは、少し考えればわかっていたはずだった。……梓が、賑やかなのが苦手なことも。
梓を連れ出すか、それともあいつらを追い出すか。迷っているうちにみんなが部屋へ入って来たので、梓を連れ出そうと手を掴む。
「皆、悠と遊びに来たんじゃない?悠がいなかったら、意味ないよ?」
予想外の言葉をかけられ、言葉に詰まる。
「…で、でも。」
「僕のことは、大丈夫だから。賑やかでも、悠がいれば平気だよ?」
まるで自分が考えていたことを見透かしていたかのように言う梓に、なんとも説明し難い愛しさを感じて抱きつこうとする。
「、わ。悠、皆いる…」
…忘れてた。
抵抗することなく、ただそう呟く梓をそっと離して、周りに見られていないことを確認するとほっと息をついた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
39 / 45