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甘姫 4
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なんだか頭がふわふわする。
夢でも見ているような、現実味のない感覚。足元の感覚もよく分からない。
靄でもかかったかのように周りの状況を把握できない。
いったい、何が...
「梓っ!!?」
身体がぐらりと傾いて、咄嗟に庇った悠とともに敷いてあった布団に倒れこむ。
「っっ、ごめん、悠...」
「梓こそ大丈夫?いきなり倒れて。」
「ごめん、ちょっと考え事してて…」
「そう?ならいいけど…」
班長になって忙しい悠に迷惑をかけたくなくて、嘘を吐く。
少しゆっくり休めば、きっとすぐに、良く、なる、は、ず、……
気がつくと、見覚えのない黄ばんだ天井が目に写った。
そうか。修学旅行に来ていたんだ、などと考えていると不意に声をかけられた。
「起きたか。」
声のした方を見ると、引率で来ていた保健医の神威(かむい)先生だった。
「神威…先生?」
なぜそこにいるのかと目線で問うと、パイプ椅子に座っていた彼は立ち上がって、なぜか僕が寝ていたベッドの側に立って言った。
「部屋で急に意識失ったって、朝比奈達が慌てて呼びにきたぞ。」
「悠……」
「ほら、もう少し寝てろ。」
「……ぅ、ん…」
再び襲って生きた睡魔に抗う間もなく、状況も分からないまま梓はもういちど意識を手放した。
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