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翡翠と白鷺(青)-6
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「シロ!!」
俺が歓喜の声をあげた瞬間、風紀室が水を打ったようにシーンとなった。
うわー、やな空気。
でも、そんなのどうだっていい。
プロレスラーを探してた事も頭から吹っ飛んでた。
だってやっとシロに会えたんだから!!
ここに居るって事はシロも何か校則違反したのかな。
ぱっと見、全校生徒の模範ですよー的な格好だから何がいけないのかわからない。
こう見えておへそにピアス10個ぐらいしてたりして。
ずっと会いたかったシロをやっと見つけてテンションが上がっていた俺はシロの机に駆け寄った。
「シロ、見て見て! 俺、茶髪にしたんだぁ。似合う? カッコいい?」
その瞬間、ザワザワしていた風紀室がまたまたシーンとなった。
何?
俺たちのカッコいい白鷺さまには気軽に話しかけるなってこと?
先輩にだって容赦しないんだから!!
牽制するように先輩たちに目を向けると、みんなして俺のことを可哀想なものでも見るような目で見て来た。
それでいて俺と目が合うと、次々に目を反らして写経に目を戻すんだけど正直ちょっと不愉快。
何さ。
俺だってこうやってオシャレしてシロと並んでも恥ずかしくない男を目指してるんだから。
「シ-ロ」
「誰?」
「え?」
シロまさか俺のこと覚えてない?
ショックでしばらくフリーズしてしまったけど、気をとり直して春休みに武道場で会ったことを話すとやっと思い出してくれた。
「それより、風紀長ってどこ?」
「俺」
「?」
おれ? おれさんって名字の先輩が風紀長?
な、わけないか。風紀長の名字は沢井だし。
「だから、俺がその風紀長だよ」
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