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ゆきごころ-おまけ「まもたん女湯を覗く!?」の巻(下)
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ん!?
んん!?
んんん!?
「先ほどお会いしましたね」
「あーっ!!」
何だ! ユキじゃん!!
後ろ姿は完璧に女の人だったし。
もうっ! 逃げて損した。
「さあ、お風呂に戻りましょう」
かけ湯をしてド派手なピンクのお湯に肩まで浸かると南国っぽい花の香りに包まれた。
「そういえばお名前をお伺いしておりませんでしたね」
「葵琉」
「ほう! 貴方が噂の」
いかにも平和主義です的な表情が一変し、悠夜おじちゃんが悪巧みする時のような顔になった。
噂って何!!!
どうなってるの、沢井流!
「志朗の許嫁だと有名ですよ」
「はぁっ!?」
もう、何っ、許嫁とか!
俺、男だし。
虎太郎が「シロが1日に何回葵琉って言うか」なんてわけのわからない賭けをやったせいで、沢井流に入った時にもめっちゃ注目されたし。
あの時は「ああ、これが噂の『葵琉』か」と、他所のクラスからいっぱい見にきた。
その話を持ち出すとユキは不思議そうな顔をした。
「本当に虎太郎がそんな賭けをしようと言い出したのですか?」
「あ、ごめん。あいつは只のカウント係だった」
「でしょうね。虎太郎が賭けの胴元なんておかしいと思いました」
やっと落ち着いたというのに今度は許嫁とか、本当に止めて欲しい。
そういえば!!
そんな話よりもっと大事な事があった。
「段証を取ったのはシロの為って何?」
ちょっと長くなりますよとユキは前置きして語り始めた。
「志朗は本当は住職でも沢井流の世継ぎでもなく自分の趣味の紅茶を生業にしたかったのです」
だけど、沢井流を継ぐ重責がシロの肩にのし掛かりそうになった。
「長兄は寺院を継ぐので次兄の私が沢井流を率いれば志朗は自由に将来を決めることが出来たのですが……」
ユキは沢井流の練習が本当に苦手だったから自分が世継ぎになるべきではないと思っていた。
「しかし誰も流派を継ぐものが居ない時私が継げば志朗は好きな事を出来ると思いまして、それで……あの、大丈夫ですか?」
「ユキ、俺何か頭がクラクラする」
「大変! 逆上せたようですね」
気付いたらシロの部屋でベッドに寝かされてた。
「こんなに逆上せるまでユキと何話してたの?」
「秘密!!」
シロは「俺だけ仲間外れにするなよ」とゴネたけどこの話はユキと俺の秘密だからシロには教えないんだ。
(完)
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